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異界幻想
【ファンタジー 官能小説】

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異界幻想ゼヴ・ラショルト-12

 すぐに締め殺してしまえるほど華奢な首元には、クゥエルダイドがパイロット候補生として狙う各精霊が最愛の者に貸与する宝石が輝いていた。
「お前がバランフォルシュの最高位だもんなぁ……レグヅィオルシュを狙ってたけど、バランフォルシュに転向すっかな」
 指で軽く宝石を弾いたクゥエルダイドは、深花の首に顔を埋めた。
 舌と唇で肌の感触を楽しみながら、手は乳房に被せていく。
 鼻にはリステュルティカの木の根が醸す匂いのほかに深花が入浴に使ったのであろう洗浄料のほのかな花の香りが満ち、クゥエルダイドを酔い痴れさせた。
「あ……」
 おそらくクゥエルダイドが何気なく行った行為、『宝石を弾く』。
 それがほんの一瞬、深花の理性を取り戻させた。
 だが、それはすぐに靄の中に消えていこうとする。
 やり方は前に聞いており、躊躇う余裕などない。
 深花は手を伸ばし、宝石を握った。


『助けてっ!』


 思考のあまりの大きさに、ジュリアスは一瞬意識が途切れそうになった。
「き、教官?」
 夜中まで補習させられている生徒二人は、自分達を怒鳴りつけていたジュリアスが急にふらついたので思わず声をかける。
「なんでもない……続けろ!」
 一声怒鳴ってから、今の声を思い出す。
「深花……?」
 今のは確かに、深花の『声』だった。
「……何があったんだ?」
 どうにも悪い予感がする。
 胸が締め付けられるような不安と共に、ジュリアスは宝石を握り締めた。
 思考を繋げた先は、ティトーである。
『ジュリアスか?』
『ああ。今の、聞こえたか?』
 不安を帯びた懸念が、伝わってくる。
『お前にも聞こえたのか……俺、姉の結婚前に深花へ無理して思考を繋げなくていいって言ったんだよな』
『それで?』
『納得してた』
 納得していた事を破る。
 不安は、ますます大きくなった。
『ちょっと検証してみるか。ジュリアス、声はどっちから聞こえた?』
『今いるのが第三練兵場だろ。それで……ああ、あっちだ』
 思考を送り出してからしばし、ティトーが沈黙する。
 少しして、ティトーの思考がやってきた。
 フラウとも連絡をとり、三方向から重ね合わせた結果……おぼろげな現在位置が示される。
「……ちょっと待て!?」
 思わず叫んだので、生徒二人は動きを止めた。
「だから続けてろ!」
 怒鳴ってから、ジュリアスはもう一度深花の位置を確かめた。
『この時間に、寮にいないのか!?』
『ティレットが、深花を連れ出すとは思えないわね』
 フラウの声で、不安は確信に変わる。
『深花を捜すぞ』
 三人で同様の事を考えているのが分かり、ジュリアスは唸った。
「くそっ!」


 クゥエルダイドは、淫核をついばむ。
「はぁうっ……!」
 舌と唇に触れるコリコリした感触の心地よさに、クゥエルダイドは夢中になって吸い付いた。
「ああんっ!」
 悦びの声と共に、深花の全身が跳ねる。
「ああ、あっ、あっ……!」
 蕩け切った蜜壺に埋め込んだ指は、痛いほどに食い締められている。
 敷いた毛布に飛び散るほどの愛液を吐き出したくせに、こんなに締め付けのきつい淫道は初めてだ。
「ああぅ……」
 いったん指を引き抜き、ぬらついた指先で二つの花弁をつまんで拡げる。
 赤く熟した花びらの奥から、泡立った蜜がどろりと溢れ出した。
 溢れた蜜液は会陰から菊花を伝い、毛布に新たな染みを作る。


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