投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

熱帯夜
【その他 恋愛小説】

熱帯夜の最初へ 熱帯夜 55 熱帯夜 57 熱帯夜の最後へ

熱帯夜の終わり-9

「適当でいい加減で、そーゆう人大っ嫌い」
「…」
「あたしが好きになった秀君もそーゆう人だったのかな」
「残念ながら」
「だから会わずに別れたかったのに」

語尾が震えた。
やばい、また泣く…

「みのりさん」
「…」
「もっかい信じて。ちょっとずつでいいから」
「へ?」
「一生結婚しない宣言したんでしょ?」
「…しないもん」
「俺もまだできないからさ、そこそこ年取って気が向いたら候補に入れてよ」
「何それ」
「え?」

眉間に寄ったシワ。
キュッと閉じられた口。
不審がる瞳。
…しまった。
また適当な言い方しちゃった。
いや、気持ちは真面目だし真剣そのものなんだけど、なんでこうなっちゃうかな。

ていうか、何この汚物を見るような目。うっすら泣いてるし上目遣いだし、可愛すぎるんだけど!

「信じない」

結局想いは届かず玉砕。

「…やっぱり?」
「あたしは秀君が好きになるようなタイプじゃないもん」
「それは俺が決めることでしょ」
「軽く遊ぶなんてできないし」
「そんなつもりない」
「嫉妬深いし、すぐ怒るし」
「そんなの…」
「だから秀君きっと嫌になっちゃうよ」
「…」
「だから―…」

思わせぶりはどっちだよ。
それでもいいなら付き合ってあげるってこと?
そう捉えてもいいわけ?

「待ってて」
「何を」
「俺、急いで大人になるから」
「は…」
「一緒にビール飲めるようになるから!車の免許も取るし、選挙だって一緒に行く!」
「選挙って…、ひゃ…っ」

動揺と同時に生まれた隙を見逃さず、警戒の緩んだみのりさんの手を掴んだ。

「だから、待ってて」

窓越しでできる限界まで近づいた。

『秀君が好きになるようなタイプじゃない』

みのりさんはさっきそう言ったけど、それは俺も同じ。
俺はみのりさんが選ぶような男じゃない。適当でその時が楽しかったらそれでいい、ただの子供だ。
そんな子供に手を握られただけで顔を真っ赤にして泣きそうになってるこの人が可愛くて、こんなに誰かを欲したことなかった。


熱帯夜の最初へ 熱帯夜 55 熱帯夜 57 熱帯夜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前