投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

ゼビア・ズ・ストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ストーリー 31 ゼビア・ズ・ストーリー 33 ゼビア・ズ・ストーリーの最後へ

双星の魔導師-1

 ー15年前ー

『もぉ、嫌ぁ!』

 突然、頭に響いた声にベルリアは持っていたペンを落とした。

「…リン…いきなり叫ばないでくれないか…」

 ベルリアは部屋に備えつけてある姿見に目を向ける。
 そこには、もちろん自分が映っているのだが、その姿がだんだんとぼやけて、自分そっくりな蜂蜜色の長い髪、紫色の瞳の女性へと変わる。

『…悪かったわよぉ』

 鏡の中の女性、リンは口を尖らせる。

『でも、もぉ限界なのっ!いつまでこんな体なのよぉ』

 こんな体とは、ベルリアとリンが1つの肉体を共有している、という事。

 母親の胎内にいる時に不幸にも事故にあってしまい、魔力が暴走した結果、双子だった2人は1人の人間として産まれてきた。
 ベルリアの時は男性、リンの時は女性、と比較的自由に使えるのだが、変身する度に魔力も体力も消耗するので基本的にはベルリアで過ごしている。
 幸い、母親譲りの魔力もあり、成長速度が遅い種族だったので分離する魔法もわかったにはわかったのだが、かなりの魔力を必要とする。
 例えていうなら、魔法使い最高ランクの魔導師を20人生け贄にする感じだ。

 ちなみに2人で話す時は体内に居る方が鏡に自分の姿を投影させる事にしている。

「あと、40年はかかるだろうね」

 そう言いながらベルリアは机に置いてある水晶玉を指で転がす。
 水晶玉には今まで2人が集めてきた魔力が貯められていた。

『アタシ達の魔力だけじゃ無理よぉ…せっかく魔法学校の学長やってんだから、みんなに分けてもらいましょうよぉ』

 ベルリアは顔をしかめてリンに聞く。

「学校中の人間とキスするつもりかい?」

 魔力の受け渡しは口移しがもっとも効率的だとされている。

『…それは嫌…』

「一応、溢れ出した魔力は吸い取っているよ。それでもまだまだかかりそうだな」

 リンは溜め息をついて話を打ち切る。

『どっかに魔力落ちてないかしら…』

 リンの言葉にベルリアは苦笑いして仕事の続きに取りかかる。
 その時、水の入ったグラスがカタカタと揺れ出した。

「おっと……」

 ベルリアはグラスを手に取ると、中身を床に流す。
 流れた水はぐぅっと盛り上がり、人の姿に変わった。
 現れたのは緩やかなウェーブを描く栗色の髪を結い上げた50歳ぐらいの女性。


ゼビア・ズ・ストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ストーリー 31 ゼビア・ズ・ストーリー 33 ゼビア・ズ・ストーリーの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前