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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒の魔導師-9

「水!結!」

 アースは攻撃を避けながら、指を複雑に組むと結界を張る。
 瞬間、火蜥蜴の口から炎がほとばしるが、目の前で見えない壁にぶつかり、四方に飛び散った。

 アースは一気に距離を縮め、滑り込むように火蜥蜴の脇に行くと、剣を地面に突き立てて、それを媒体に結界を強化する。
 そのまま魔法陣のそばに片膝を着くと、手をかざして魔法陣の法則を読み取り、慎重に解除する。

(全部で4つ…持ってくれよぉ…)

 せめて攻撃しないでいてくれりゃ助かるのに、と攻撃される度にビリビリ震える結界を維持しつつ、1つ1つ丁寧に魔法陣を解除していく。
 助けようとしているアースに対して、いつまでも攻撃している火蜥蜴にイラついたキャラは、立ち上がり火蜥蜴に向かって怒鳴る。

「おい!コラっ!!いい加減にしろ!」

 突然怒鳴られた火蜥蜴は動きを止めてキャラを見る。

(っの……馬鹿!隠れとけっつったのに…!)

 結界の維持と、魔法陣解除にいっぱいいっぱいのアースは、キャラの方を見る余裕も無い。
 キャラもしまった!、と思ったが今更引くに引けず、気合いを入れて火蜥蜴を睨み付ける。
 しかし、意外な事に火蜥蜴はキャラとアースを交互に見ると、首をうなだれて大人しくなった。
 呆気にとられながらも安堵したキャラは、ゆっくり火蜥蜴に近づきその首に触れる。

「えっと……なんか、大丈夫みたいだけど……」

 顔を擦り付けて甘える火蜥蜴によろめきながら、キャラはアースに言う。
 それを聞いたアースは軽く頷き、結界を解いて魔法陣解除に集中する。

 額に汗を浮かべ真剣な表情で解除するアースの周りは、光となって消えていく魔法陣の残骸が舞い散り、物凄く幻想的な光景だ。
 キャラはその光景に思わず見とれてしまう。

(……で…これで……)

 最後に魔力を一気に注ぎ込むと、魔法陣は一際明るく光り消えて行った。

「……っだあ!」

 集中しすぎて息の詰まったアースは仰向けに倒れる。
 荒い呼吸をするアースに、申し訳ないように火蜥蜴が顔を寄せてきた。

「…だーいじょうぶだ。もう、捕まんなよ。」

 鼻面をポンポンと叩いてやると、火蜥蜴は背を向けて立ち去って行った。
 キャラはアースの所へ駆け寄ると、すぐ横に座り込んで顔を覗き込む。

「大丈夫か?」

「あぁ、助かったぁ。」

 アースはキャラを見ると息を吐きながら軽く笑う。
 アースの笑顔を見た時、キャラの胸がドキリと鳴った。
 戸惑ったキャラは慌てて目をそらす。

「しかし、なんであいつはお前の言う事聞いたんだ?」

 聞いてくるアースに、キャラは改めて顔を向け、違和感を感じる。
 おや?と首を傾げながらアースを見てると、ある事に気づいた。


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