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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒の魔導師-15

「いや、っていうか……会ったばっかで押し倒したいって事自体変だし……そもそもアンタ男が好きなんじゃ……」

 アースは口にしたコーヒーを吹き出す。
 確かに、男だと思っていたキャラにキスしてるのだから、そう誤解されても無理はない。

「…いや、俺は物凄い女好きだ…」

 軽く咳き込みながらも、胸を張って答える。

「あ…そう…」

 威張る事じゃないと思うが…。

「じゃあ、なんで……」

 口ごもるキャラにアースは苦笑して続きを代弁する。

「なんで、男だと思っていたお前にキスをしたか?って事か?」

 アースの言葉にキャラは頷く。

「…そうだな…
まず、声を聞いた時に良い声だなって思った」

 キャラは顔を上げてアースを見る。

「しゃべり方が男っぽかったから、勝手に男だと思ってガッカリした」

 アースはキャラを見返しながら、クスリと笑う。

「…母は小さい頃死んだから…オレは爺さんに育てられたんだ」

 キャラの言葉に、なるほど、と答えたアースはそれ以上は聞かず先を続ける。

「次に顔を見た時。ありゃあ、一目惚れって言うんだろうなぁ……その時点でもう好きになってた。」

 サラリとした告白にどう対応していいのか分からない。

「で、魔力が美味くてびっくりした」

「美味い?」

 アースは頷くとコーヒーを飲み干す。

「美味かった。あんなのは初めてだったな…」

 そう言いながらキャラに近づく。

「後はもう、仕草も、度胸も何もかも…気がついたら、完全に惚れてた。男でも構わないって思った……」

 アースはキャラの目の前にくると目線を合わせるために、片膝をつく。

「…会ったばっかだ」

「そうだな」

「アンタはオレの事知らないし…オレもアンタの事…全然、知らない…」

「そういうのはどうでもいい。お前がお前だから好きになった」

 今度こそハッキリと想いを告げられたキャラは、ドキドキと落ち着かなかった心臓がストンとどこかに収まる感じがした。
 アースは右手をあげると、キャラの顔にかかっていた髪をそっとかきあげる。


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