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小春十三の怖い話
【ホラー その他小説】

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その二 120°-2

**――**

 ジャー、バシャ……チャプン……。
 健一が布団を敷いてる間に私はお風呂をいただくことにした。
 いくらクーラーの効いてる部屋とはいえ、汗はかく。べたつく肌をリフレッシュするためにシャワーを浴び、そっと湯船に浸かった。
 ふぅ……。
 なんだか自分の家にいるみたいに寛いでてなんか悪い。おばさんは女の子が欲しかったみたいで喜んでくれてるけど、そういうのに甘えすぎかもしれないわね。ちょっと自重しないと……。
 ぶくぶくぶく……。
 口まで使って息を吐く。湯船が泡立つのを手でかき混ぜて遊ぶことしばし。すると突然換気扇が止まる。昨日もそうだったけど、どうやら調子が悪いみたい。
 私はもうそろそろ出るころなので、ついでに窓を少しだけ開き、換気をする。
 ん?
 今、何か見えたような……。
 もしかして覗き?
 閉めるべきか健一を呼ぶべきか迷ったけど、今私は裸。従兄弟だからって見られたくないので、私は恐怖より恥を優先し、窓を閉めようと近づく。一応、誰かいないかも確認してから……?
 そっと窓から顔を出す。正面には塀があるだけで、竹が伸びている程度。
 また!
 そしたら、視界の端、何か見えたの!
 私はそれを反射的に追ったけど、直ぐに消えた。
 裏庭はすぐに身を隠せるような場所がないし、見間違いだよね?
 私は怖くなって窓を強く閉めた。
 なんかお風呂に入ったのに、一気に寒気がしてきた。しょうがないので、もう一度肩まで浸かり、できるだけ窓から目を逸らす……?
「きゃっ!」
 今見えた! 視界の端に少しだけど、誰か居た。脱衣所のところ!
 慌てた私は浴槽ですべり、ばちゃばちゃと水飛沫を立てる。
「どうしたの! 純ちゃん!」
 そしたら余計な奴がやってきてドアを開けて……。
「えっち!」

**――**

「そんじゃお風呂はいってきます」
「あい」
 お風呂に入る前からすでに前髪から水を滴らせるよくない男。私はタオルで頭を拭きながら、強い口調で答えた。
 まったく健一のスケベ。私のお風呂覗くなんて……。っていうか、見られた。上だけだろうけど、見られちゃったよ。まったく本当に許せない。この埋め合わせは何かしてもらわないとね……。
 あれ? 今、またなにか通ったような……。
 テレビを見ていた私の視界の端、何か青白いものがすうっと通ったような……? まさか泥棒? そんなわけない。まさか……。
 私はそれが消えたほうに視線を移す。その時にはもう何も見えなくなっていたけど、でもまた! また何か見えた。私を誘うかのように廊下に消えていく。
 追うの? いやよ。あんな得体のしれないもの。こういうのは健一の分野でしょ? 私は……。もう、男が長風呂なんかして……! さっさとあがりなさいよ。
 !?
 そんなことを思っていると、また何か見えた。今度は部屋の隅に消えるように動いていった。目で追おうとすると逃げる。
「もう、健一ってば遅いよ!」
 私は心に芽生える恐怖を隠すために、健一への怒り任せに部屋を出た。けど、視界の端にはやっぱりあれがいて……。

**――**

「わわっ!」
「きゃぁ! この変態! 覗きだけじゃなくてこんどは露出!」
 私は脱衣所につくなり、傍にあったタオルや健一の衣服を裸の彼に投げつけて、脱衣所のドアを閉めた。


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