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熱帯夜
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それから-4

たらたらと歩いてるうちに家に到着。みのりさんの部屋のあの窓がある位置を見上げた。ここからは死角になって見えないけど、今日も多分閉まってる。
どうすればあの窓は再び開くんだろ…

「秀徳」
「なんだよ」
「遊びじゃなかったの?」
「なにが」
「浴衣のお姉さん」
「…」
「俺が新しい彼女かって聞いた時、狙ってるだけって言ってたじゃん」
「あ―…」

あの時か。
みのりさんにばれないように少し離れて、彼女ではないことと、冗談混じりで口説いてる最中だと説明した。

「マジだったんだ」

ニヤニヤと笑う吉村にイラッとしたのと照れ隠しのつもりで

「そんなわけないだろ」

言い切った。

「ふぅん」
「分かったらもう帰れよ。俺ん家もう着いたんだけど」

シッシッと犬でも追い払うように手をヒラヒラさせて吉村を遠ざけた。

あいつ結局なんだったんだ。
後輩に俺のこと頼まれただけか?ちゃんと断ってくれるんだろうな…

『ブーブーブーブー…』

ポケットの中で携帯が震え出した。
まさかまた吉村?
だとしたらうざすぎる。

携帯を取り出してディスプレイに出る発信主の名前を確認して、息を飲んだ。

みのりさん…

みのりさんから電話!?
嘘だろ!
やばい、心臓がバクバクし過ぎで壊れそう。
逸る気持ちを抑えて一つ深呼吸してから受話ボタンを押した。

「もしもし!?」




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