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見習い魔女の一日
【ファンタジー その他小説】

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見習い魔女の一日-1

セアラは、大通りを箒片手に、急いで走っていた。早くしないと、特製あんパンの販売時刻に間に合わないのだ。販売開始まで後5分しか無い。
時計台通りにあるルーゴットパン屋のあんパンは非常に美味しいのだが、数が少なく競争率が高いのが玉にキズだ。販売開始からたいてい5分で売り切れてしまうのである。
「あ〜、もう!二本足でちまちま歩くのなんかウンザリだわっ。レナさんに怒られちゃうけど…乗っちゃえ!」
セアラはそう叫ぶと手に持っていた箒に飛び乗った。ふわっと箒が上昇して…よし、離陸成功。セアラは、まだ見習い魔女で、レナさんという魔女のもとで修業をしている。箒の操り方も1ヶ月前に教わったばかりで、心許ない。しかし、そんなこともお構い無しに、セアラは箒に元気良く告げた。
「さあ、超猛スピードでパン屋に直行よっ!」
歩道でセアラの姿を見て呆気にとられている人達を尻目に、箒はジグザグに時計台通りへと向かっていった。
「ぎゃーっ、ぶつかるー!」
ジグザク飛行をしていたセアラは歩道橋の上の人にぶつかりそうになった。慌ててよける。その人の髪の毛が頬をかすめた。ふう、ギリギリセーフ。こんな所で交通事故なぞ起こして足止めされている場合ではない。今日こそは、あの超絶美味しいほっぺがとろけて落ちる様なあんパンを、GETするのだ!セアラは時計台を見た。タ
イムリミットまで、後3分。
「ラストスパートよ!」
ぎゅるんと凄い音がして更にスピードが上がった。


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