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詐欺師E.
【サスペンス 推理小説】

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「詐欺師E.〜EP.3〜」-1

俺は恐怖で怯えた…人は誰でも夢を見る。リアルな夢に出てくるのは身近にいる人たちだ。それは人間の深層心理を表すものだから自然なことだと言う。だが…俺の見た夢に出てきたのはまったく見知らぬ男だった。まあ出てきただけならそこまで不自然に感じないだろう。が…その男が今目の前にいる。小柄で鋭い目…まさにあの夢に出てきた男。これはどういうことだ!?本当に恐怖で仕方なかった…もちろん今まで会った記憶はない。偶然とは思えない…そしてあの時の「きみは僕に勝てない…」と言う奴の台詞。

リー:コイツ日本の密輸入班のやつなんだってよ
E:どーも初めまして。
サムスン:僕の名前はサムスン。普段はそこで店を開いている
E:夜は何を?
サ:こうやってマフィアと戯れてるよ。楽しいだろ?

何か違う…普通じゃない。ただそれが何かわからない…なんだ?

E:リーとは密輸仲間なの?
サ:いや違う。僕は密輸なんかしてないよ。そういう話を聞くのが好きなのさ
E:そうか。何か飲むか?
サ:そうだね。ウイスキーでももらうかな
E:じゃあ同じものを
サ:ねぇ今日本で噂のEってどうなんだい?
E:Eか…会ったことはないが仲間内では中々危険な人物って思っている
サ:警察と組むなんてたかが知れてると思うよ。
E:そうか?今の時点で少なくとも日本での取引の数は減った。それだけで十分じゃないか?Eは認められている
サ:知ってるか?今度東京湾で大規模な密輸の取引があるらしいんだ。
E:いやまったく知らなかったよ。
サ:実はな…


その後、サムスンと言うこの男から東京湾の取引について聞いた。日時は9/27ちょうど十日後、時間は23:00。中国から大量に大麻を送るらしい。酔ったんだかなんだか口車に簡単に乗せられ、バカみたいにベラベラしゃべってくれて助かった。帰って報告だ。


ジンメイ:おかえりなさいませウォン様。
ウォン:今日噂のEに会ったよ。
ジンメイ:あの日本にいる警察とぐるの詐欺師にですか!?
ウォン:あぁ。名前は知らないがたぶんそうだ。
ジンメイ:はぁ
ウォン:それでだ、急遽今月の27日に日本に行くことになった。
ジンメイ:なぜ急に!?
ウォン:僕はこの辺の情報通と偽った。さらにリーも情報通と紹介してくれたため楽にことが進んだ。そして大麻を送り込むと彼に情報を流した。彼がEなら取引現場を警察と張るだろう。しかし船には大麻はない。つまり何ら違法性はないわけだ。Eはその時気付く…騙されたと
ジンメイ:なるほど!つまりEの正体を知るために取引を行なうふりをする。仮に失敗しても大麻はないため違法にはならないと
ウォン:そうだ。つまりこっちにメリットはあってもリスクはない。そして本当の取引は別のチームが横浜で行なう。
ジンメイ:マークが緩むと言うわけですね。
ウォン:あぁ。ただちに船を用意するよう連絡を取ってくれ。
ジンメイ:かしこまりました
ウォン:ふふっ……ハッハッハ………

 

(9/27PM22:30)
宮沢:警部!今海保から連絡があり船の存在が確認できました。
上山:ご苦労。もう少しだな
E:こんな簡単に捕まるとは…だから詐欺は楽しいな。


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