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異界幻想
【ファンタジー 官能小説】

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異界幻想 断章-3

「あっ……!」
 少年の肩が、ぴくりと震えた。
「や、止め……!」
 先走りで淫らに光る肉棒の先端を、指の腹が優しく撫で回す。
「あああっ!」
 粘液の滲出口にごく軽く爪を立てられ、少年は飛び上がった。
「お、お坊ちゃま……これ以上はもう、お許しくださ……ああっ!」
 張り詰めた玉袋を握られると、少年は抵抗できなくなる。
「で……出ちゃいます……イっちゃいますぅ……」
 つぅ、と裏筋に指の腹が這う。
 背後から少年を抱いていた男は、その体を前に押し出した。
 少年の肉棒を緩く摩擦しながら、閉じられた菊門へ己の刀身で狙いを定める。
「ああ……お坊ちゃま……!」
 ぐっと、先端が割り入ろうとしたその時。
「ティトー!」
 ノックもなしにドアを開け、ジュリアスが部屋へ乱入する。
 声にもならない悲鳴を上げ、少年は体勢を崩した。
「なんだ、お前か。一体どうした」
 こんなシーンを見られてしまったのに、慌てず騒がず男……ティトーは尋ねる。
「……そちらは?」
 怒りを顔中にみなぎらせたジュリアスの後ろにぼろぼろの少女の姿を認め、ティトーは首をかしげた。
「親父が身請けした女だっ!俺っ……俺の、ためにっ……!」
 感情の箍など、とっくに外れている。
 吐き出せなかった心のうねりが、奔流となって両目から溢れ出した。
「こんなっ……こんなのっ……!」
「あーよしよし。泣くな泣くな」
 服を着込んだティトーは立ち上がり、傍まで行ってジュリアスの肩を叩いた。
「詳しい話は後で聞かせてもらう。とりあえず、彼女を身奇麗にしてやろう」
 ティトーは、フラウの姿を上から下まで検分した。
「サイズは姉とあまり変わらないな。ちょっと服を見繕ってくるから、お前は風呂に入れてやってくれ。おい、大至急湯殿の準備と……ジュリアスに手伝いを二人、付けるように」
 下半身を晒したままの少年にそう言い付けると、ティトーは部屋を出ていった。
「あ、そうそう」
 ドアから頭だけを出し、ティトーは言葉を付け加えた。
「馴染みの理髪師も呼びにやらせるから、風呂はできるだけ早めに済ませてくれよ」
 今度こそ、ティトーが出ていく。
 膨張した股間を必死でなだめながら、少年も言い付けを実行すべく部屋を出ていった。
「……っ!」
 ジュリアスは一声唸り、手近な椅子に腰掛ける。
 腕を引かれて従っていたフラウは、ジュリアスの足元にひざまづいた。
「そういうのは止めてくれ!」
 隷従を叱られたフラウは、不思議そうにジュリアスを窺う。
「俺は、君にそういった事を一切望まない。頼むから、普通にしててくれ」
「普通、と申されましても……」
 戸惑った口調から、フラウにとっては相手にへつらうこの姿勢こそが普通なのだとジュリアスは気づく。
「俺達の言う普通は、こういう事だ」
 ジュリアスは、フラウを隣の椅子に座らせた。
「誰も君に床へ座れなんて言わない。君が椅子に座るのを、誰も咎めない」
 フラウは居心地悪そうに身じろぎしたが、ジュリアスが座らせたという意味を汲んでおとなしく椅子に腰掛けていた。
「湯殿の準備が整いました」
 しばらくしてから、少年が二人を呼ばわる。


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