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アドレナMAX!
【アイドル/芸能人 官能小説】

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アドレナMAX!-2

¨・・・私が?¨
「そうだ。いきなりで信じられないだろうが、決まったんだよ」
¨それで、日時はいつですか¨
「まだ分からない。決まり次第連絡するよ」
¨・・・はい。待ってます¨

心なしか早貴は落ち着いていた。
それが少し気になったが、きっと実感が湧かないんだろうと思っていた。

しかし、その日の帰宅途中、早貴から電話がかかってきて・・・


¨すいません、こんな時間に¨
「どうしたんだよ」
¨その、大した話じゃ無いんですけど・・・¨

こうやって口を濁らせる時は決まって、あれだ。
多分早貴の言いたい事はこれだな。キャンセルさせてください、というはっきりした言葉だろう。


¨・・・あの¨
「何だ」
¨写真集のお話、お断りさせて頂いてもいいでしょうか¨
「アホ。もう一回言うぞ、このアホ」

仕事をくれた契約先に断りを入れるなど、話にならない。
ましてや中島早貴はまだまだ駆け出しのアイドルだ。少しは考えて発言するべきだな。

だが、何故その結論に至ったのだろう。聞いてみる必要がある。

¨私、実は・・・怖いんです¨
「・・・撮影が、か?」

早貴からの返事は無い。

「何を言ってるんだ。駆け出しとはいえ中学生の頃からアイドルとして頑張ってきたじゃないか。今更撮影が怖い、なんて」
¨いえ、普段の撮影は別に・・・でも、写真集の時は、こ、怖かったん、です¨

・・・嘘だ。
オレは覚えている。
眩しい肢体を水着で包み、満面の笑顔で砂浜を駆け回っていたのを。
何人もアイドルを見てきたんだぞ。演技でやっていたとしたら、すぐに見抜けるくらいの経験はある。
自身の勘に誓う、中島早貴、君は写真集撮影の時は眩しく輝いていた−

「もしかして、水が怖かったのか?あるいは、その、水着が恥ずかしいとか」
¨そういうんじゃ無くて¨
「怖いスタッフがいたのか。でも、撮影はすぐ終わるから我慢できるはずだ」
¨いえ、楽しかったです。撮影はそんなに、というかカメラは・・・その・・・¨


どうにもはっきりしない答えがもどかしい。
はっきりしないのでもっと聞きたかったが、こうなるともう自分から話してくれない。

マネージャーは、担当するタレントに相談を持ちかけられるのは日常茶飯事である。
特にアイドルは家族の相談も含め、電話の回数は多かった。
・・・キャンセルなんて訳にいかない。大丈夫だ、説得すれば分かってくれる。

「心配するな、撮影が嫌なら意識しない様にするんだ。一応カメラは回ってるが、気持ちを切り替えてのびのびやればいい」
¨・・・・・・・・・¨
「いざ現場に行けば楽しめるさ。早貴は泳ぐの好きだったろ?」
¨・・・・・・・・・¨


いつもマイペースで笑っている早貴が、哀しそうな表情をしているのが浮かんだ。


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