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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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ラインハット編 その四 ラインハットへの帰還-4

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 東夷隊第一部隊隊長、ミハエル・カーマインは陣営にてせわしなく歩き回っていた。
 苛立つときに爪を噛む癖があるのか、ふやけた親指の爪はぎざぎざになっており、その表情は焦りに満ちていた。
「まずいぞ。まずい……。まさかエンドールが落ちるとは……。あのアルベルトとかいう庸兵、どんな魔法を使ったというのだ? このままでは俺の立場が危ういではないか……」
 本国から伝えられたボンモール・エンドール国の落城。それはラインハット軍にとっては朗報であるが、彼にとっては少々勝手が違う。
 ミハエルの指揮する東夷隊は、ブランカ国がラインハットの防衛の拠点として急場しのぎに建設させた木造砦、レイクバニアに臨んでいる。彼が指揮を執り、二ヶ月。木造の砦と遮るものの無い、守るには不適合な立地にも関わらず、攻め込めず、退かずの現状であった。
 膠着の原因は砦を前にして流れるフレノール川だろう。小高い丘からラインハット軍の陣営を見下ろし、攻め入るにしても川を渡ることに手間取り、思うように進軍ができないのだ。
 例え渡りきったとして、魔法による迎撃が行われる。大規模な部隊を率いて攻めようが、広域魔法の餌食となるのが目に見えている。
 火矢を放とうにも距離があり、進軍する間に火消し、迎撃をされるのは明らか。
 ブランカ国の初戦における疲弊も日が経つにつれて回復の兆しを見せている。オラクルベリーとの陸路を絶たれたはずのブランカ国だが、北海航路からグランバニアと通じ、その支援を受けていた。
 さらに噂によるとグランバニア国名うての軍師が一人、援軍に駆けつけているらしい。
「くぅ……一体どうなっているのだ、あの砦は……」
 急場しのぎの砦など三日で落とす。そう意気込んでやってきたミハエルだが、思うように攻め入れず、今に至る。だが、本国からの伝言は「何時になったらブランカ国を落とせるのか?」の一言のみ。意気込みだけで覆る戦況では、もはやないにも関わらず……。
「隊長! 東夷隊第三部隊が到着いたしました!」
 伝令の兵がノックもせずにやってくる。
「くぅ、仕方がない。今は猫の手でも借りたいところだ、して、兵は如何ほどだ?」
「はい、騎馬隊が二十に重装歩兵隊が十、他に……」
「は?」
 彼が驚くのも無理はない。砦を前にして投入された兵がたかが百にも及ばないのだ。決戦を控えるわけではないが、焼け石に水といわざるを得ない数字に、ミハエルは伝令を押し退け、外へ出る。
 丁度黒色の鎧とフルフェイスの兜の兵が馬から下り、向かってやってくる。
「東夷隊第一部隊隊長、ミハエル殿とお見受けする。私は東夷隊第三部隊隊長、アルベルト・アインス……」
「そんなことはどうでもいい! まさかこれだけか? これでは小隊ではないか? 何が隊長だ、馬鹿にしおって!」
 話を遮り癇癪を起こすミハエル。アルベルトは特に気に留める様子もなく、続ける。
「これより東夷隊第二部隊隊長と合流し、軍議に移りたいのだが……」
「はん! 貴様のような氏素性も判らぬ名ばかりの隊長などと話したところでなんになる? 小隊ごとき、砦の見張りでもしていろ!」
 吐き捨てるようにいうと、ミハエルはそのままテントへと戻っていった。残された伝令兵もアルベルトに一礼すると、所属する陣営へと走っていった。
「ふむ……、許可も出たところだ。見張り任務でもさせてもらうか……」
 アルベルトはフルフェイスに隠れてにやりと笑った……。


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