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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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ラインハット編 その四 ラインハットへの帰還-12

「く、あの田舎侍が。俺の手柄を横取りしやがって……」
 全てはアルベルトによる搦め手が功を奏したのだが、視野が狭まっていたミハエルがそれに気付くこともない。
「そうは言われましても、アルベルト殿の実力は本物です」
 そう執り成すのは同じく隊長の任を解かれたトム。
「貴公は悔しくないのか? 聞けばエンドールでの戦果も掠め取られたというではないか!」
「ええ、ですが、あの作戦はアルベルトが発案したものでして、私では到底……」
 その剣幕にたじろぐトム。だが、そのあまりに謙虚な姿勢にミハエルの視線が向き……。
「ま、確かにアルベルト殿は王者の片鱗をお持ちのようだからな……。そういえばお主はアルベルトと親しい様子だが、何かあったのかな?」
 そっと水を差し向けられ……、
「ええ。ちょっとイタズラが過ぎるところがありましてね。昔カエルを寝所に入れられて……」
「イタズラ……ねぇ……」
 ふと思い出すのはトムのトラウマの話。彼がどうしてカエルを苦手としているか、そんな瑣末なことをミハエルは思い出していた……。

++――++

 ブランカ国を臨む野営砦「オールドファッション」。あの日エマが買ってきたドーナツの一つだ。アルベルトはその一室でいつものようにウイスキーで晩酌をしていた。
 あの悪夢からおおよそ一年。幸運に助けられつつ、何とかここまで来た。
 かつての友、想い人を懐かしむには丁度よい区切りだが、最近ある噂を耳にしたことで、胸がざわめき始めていた。
 オラクルベリーの陸商隊に腕の立つ護衛が居る。黒髪の青年で名をリョカという。
 東国では聞かない名前に、アルベルトは気になっていた。
「どうしたの? 今日はやけにピッチが早いみたいだけど……」
 すっと扉が開き、遠慮の無い監視者が現れる。
「うむ。気になることがあってな……」
「へえ、貴方でもそんなことがあるんだ。いつも自分中心に物事を進めるくせにね」
「さすがにどうにもできんこともある」
「で? 一体なにがあったのかしら?」
「うむ。リョカが見つかったかもしれん」
「リョカ? ああ、彼が……」
 特に驚く様子もなく、エマは頷く。それは彼の生死に興味が無いという冷たいものでもなく、どうにも引っかかりのある態度に見える。
「今、オラクルベリーで陸商隊の護衛をしているそうだが……、奴の腕をそんなところで腐らせるのは惜しい」
「ちょっとアルベルト……。それは買いかぶりすぎじゃないかしら? 確かに彼にも素質はあるけど、たかが知れているわ」
 各種魔法を教育も無しに覚えたことは確かにエマも認めている。膂力もあの地獄の二年間がかなり鍛え上げただろう。さぼってばかりのアルベルトとは、単純な腕力や魔力で差がついているはずだ。だが、人として、その社会で地位を成すということとは結びつきにくい。アルベルトのような知恵に優れた者こそが彼女の思う王者に相応しく、当時の無責任な博愛主義のリョカでは役に不足していた。
「俺は奴に会いたい。奴には大きな借りがあるからな……」
「会いたいの? なら会いに行けばいいじゃない。貴方ならそんなこと考える暇よりも即行動で示すと思ったんだけど……」
「そうしたいのはやまやまだ。だが、俺がこの砦を長く留守にするわけにはいかない。ドーナツとは別に、もう一つ雲行きを見極める必要があるからな」
「ふうん。でも、そんなこと私に話して……」
 エマがようやく思い至ったところで、アルベルトが彼女に歩み寄り、片膝をつく。


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