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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#03  研修旅行――二日目-9

「ああ、そうか。山崎――君だったね。ホラ、見てごらん?丁度いいところに、林田さんがいる。さっきのお願いは彼女にすてみたらどうだい?もちろん、きみの行為に同情の予知なんてものは一抹すらないから、林田さんが協力してくれる確率は限りなくゼロかもしれないが、万が一、ということばがあるんだ。ダメもとでもね。そもそもがだ。酒を飲みたいんだったら、短期留学組みに参加しておけば良かったんだ。うちのクラスからも三、四人は参加しているんだし、あの国だったら、飲酒制限はないしね。なのに、こんなところまできて、馬鹿じゃないのか?小学生でも、もうすこしは賢い判断はできる」

「えっ?あっ……えっ?な、なんで、ンなに毛嫌いしてんだ、おれを?」



そりゃ、殴りかかられても毛嫌いしないのはプロボクサーとガンジーくらいのものだろう。

そんなこと思いながら、オーディエンス見渡すと、なるほど風呂上りと見受ける林田尊がランドマークな相原柚子葉の横で、不安げな顔をしている。まあ、あの女にこういう荒事の経験はないだろうから、その顔も頷けた。

――できれば、旅行中だけでもいいから、その表情で固定していてくれると助かるんだけど、などと私が密かに願っていると、その眼前で岐島がわずかに怒気を孕んだ口調で、



「なんで?決まってるだろう?ここは鎌倉だぞ?なのに……なんで、アサヒなんだ?スーパードライなんだ?なぜ、地ビールじゃないんだ!鎌倉には『鎌倉ビール』星月花という素晴らしい逸品があるにもかかわら――」

「はーい、ストオォォップゥウウウッッ!」

「っと……」



私の右足軸左踵延髄旋脚を、岐島は見事に肘と手首間――骨のある硬いところで受け止めた。

そんな格好で、五秒ほど固まってから、私はスカートも翻っていたこともあり――中身は見られていないはず、きっと、たぶん、うん、平気である、と思う――、いそいそと左足を床に下ろすと怒鳴った。




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