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熱帯夜
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一日目-4

「…なぁ、俺――」

コンコン

「秀君?誰かいるの?」

母さんの声。
やば…っ

「あー、テレビ見てただけ」

こんな現場を見られたら何て言われるか。お姉さんに部屋に戻るように手を動かして有りがちな嘘でごまかした。

「約束守ってね」

窓を閉める直前、お姉さんは小声でそう呟いて自分の部屋の窓とカーテンを閉めた。



軽く考えていた。
ただの一夜の夢みたいな、明日になったら無かったことになってるような気がするくらい現実味のない一時だった。

これが始まりだと気づくのに、それほど時間はかからないというのに――…


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