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戦国の世を遊ぶ
【歴史物 官能小説】

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川並衆の東吉-1

二つの国を別けるものははっきりしていた。

大河が一つの大地を二つの国に別けていた。

大河が悠々と流れ河の北と南で治める殿様が違っていた。

その自然の国境いが時には変わる事がある。


自然の心持ちで少し大雨が降ると河が溢れて蛇行し雨が止んで河筋が出来た所が国境いになる。


川沿いに住む人々は今日は松田様の農民で明日は斎藤様の農民になったりするからどちらに年貢を収めたらいいのか解らない。

農民達はそれを上手く利用して斎藤様には松田様に年貢を収めたといい松田様には斎藤様に年貢を収めたと言って税の徴収を誤魔化すものも多かった。

怒るとすぐに素っ首叩き落とすと出刃包丁の大きな物を振り回す馬鹿者ばかりだから怒らせないように上手く騙さなきゃならない。

それはそれで馬鹿者達は総じて金と女が大好きな生き物だから取り扱い安い。

大言壮語を吐く人間や乱暴な人間ほど取り扱い次第で誤魔化し安いものだ。

年貢徴収の頃合いになると庄屋の家に偉い代官様方を呼び若い娘の胸元をチラツカセ着物の裾から手をいれさせて酒を鱈腹飲ませご馳走してやり懐に持ち重みする銭を入れてやれば阿吽の呼吸で『今年は斎藤家にとられたか』と言って一応悔しがり後は気に入った娘やら人妻やら見さかいなしに宿舎に連れこんで朝までオマンコ三昧だった。
役得と思っているのだろう。

国の財政など心配する輩は一人もいない。

今年はあの女を抱いてやるという心づもりでやって来ている。

村の女衆もしっかりサービスしてやるように親方に言われているから役人連中のしたいようにしてやろうと思っているし、親方の命令なんだから私達も平生出来ない事をして楽しんでやろうと思っている。


そんな事で涙金で毎年の年貢を騙してきた。

もっともこの大河の川辺に住む人々は半漁半農で貧しくマトモに年貢を取ってもたいした年貢もとれやしない。

その村の主な収入は押し込み強盗だった。

当時は押し込み強盗は武士のたしなみと平然と言い放ち隣の国の金銀から農産物果ては相手の殿様の妻妾を掻っ払い自分の妾にし農民まで掻っ払って農奴とするのが勇猛果敢ないい殿様だという戦国の世の中だったから農民や庶民の中に徒党を組んで金持ちの村に押し込み強盗をする輩は当たり前のようにいた。


その点川並衆は平生が板子一枚下は地獄の世界を渡っているからその性は勇猛果敢だった。

年貢より我が味方に引き入れて兵士としたいのが松田氏も斎藤氏も本音であった。

だから松田も斎藤も此の村には下手に手出しはしない。


そんな荒っぽい人々に庄屋様親方様と上げ奉られていたのが後々大名になり、もっと下れば子爵男爵公爵となるんだから面白い。



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