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異界幻想
【ファンタジー 官能小説】

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異界幻想ゼヴ・アファレヒト-2

「や、やだちょっと……!」
「痛い事はしないからおとなしくしてろ」
 ジュリアスは中指に愛液をまぶし、複雑にうねる箇所へと差し込んだ。
 さしたる抵抗もなく、熱い秘部は指を貪欲に飲み込む。
「っあ……!」
 ぶるっ、深花が震えた。
 内壁を探るように指が中でうごめくと、快感が先に立ってしまい恥ずかしさを抗議する暇など消し飛んでしまう。
 物欲しげに食い締めてくる淫裂のために、ジュリアスは指を二本に増やしてやった。
 淫らに開いた蜜壺から、泡立った愛液が溢れ落ちる。
「っふ……あ、あああ……っ!」
 指以外のものが欲しいと切なく訴える声を聞いて、ジュリアスは指を抜いた。
 指どころか手の平まで濡れているのを見て、わずかに顔をしかめる。
 全く、心と体がこれほど裏腹な女も珍しい。
 手の平の愛液を舐め取ると、ジュリアスは体を起こした。
「あっ……!?」
 指の代わりにあてがわれたものと腰を突き出したままの体勢に気づき、深花の表情に不安が宿る。
「痛い事はしないって言ってんだ。いい加減信用しろ」
 これが初めての体位だろうというのは、ジュリアスには当然見当がついていた。
 深花にはなるべく早くこういった行為に対する耐性をつけさせなければならないが、初心者相手に熟練者向けの高度なプレイをするほどティトーは馬鹿ではない。
 昨日のそれはオーソドックスに済ませたであろう事は、容易に想像できる。
「あっ……くうぅ……!」
 ゆっくり肉棒を突き刺していくと、濡れそぼった柔肉が愛おしげに絡み付いてきた。
「窒息しないようにしとけよ」
 深花の顔がシーツへ突っ伏しているために、いちおう警告してから細い腰に手をやり、埋没させていた淫棒をゆっくり引き出し始める。
「ああぁ……!」
 亀頭が薄い肉一枚で隔てられた排泄道を刺激するのは、未知の快感だ。
 獣の交尾の体勢を取らされている事もあり、今の深花は強すぎる刺激へ過敏に反応してしまう。
 そんな深花を痛がらせないよう細心の注意を払いながら、ジュリアスは腰を使っていた。
「あっ……!?」
 急に体を捻られたため、深花は声を上げる。
 何をするのかと思う暇もなく、うつ伏せだった姿勢が仰向けになった。
 視界に、汗を浮き上がらせた男の肢体が映る。
 筋肉が発達し、脂肪の極端に少ない鍛え上げられた上半身。
 端正な顔立ちはすっかり上気し、その吐息は速いリズムを刻んでいる。
 その首元で、紅の宝石が淡い不思議な光を放っていた。
「……何だよ?」
 仰向けになった途端に硬直してしまった深花へ、ジュリアスはいぶかしげな視線を向ける。
 自分を相手にして嫌とか恥ずかしいとかいう表情ではなく、呆気にとられている顔なのだ。
「え、あ……」
 声をかけられた深花は、我に返った。
「……今の、痛かったか?」
 思い当たる節はそれしかないのでジュリアスはそう尋ねたが、深花は首を横に振る。
 自分のために手間と時間を割いてこんな行為をしているのだし、興奮しているのは当然である。
 しかし……余裕が出てきてから初めて間近に見るジュリアスの様子は、思わず見入ってしまうほどに色っぽかったのだ。
「あ、あの……続けても、大丈夫。ただ……」
 言い淀む深花を見て、ジュリアスは不審そうに眉をひそめる。
「ただ、何だ?」
「その……」
 逡巡の後、深花は願いを口にした。
「ちょっと落ち着くまで抱き締めてて欲しい、かな……」
 何とも可愛らしいお願いである。
 しかし……ジュリアスにとって深花は、自分を恨んでいる扱いにくい女だ。
 そんな女からこんなお願い事をされたので、少し呆気にとられてしまう。


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