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マネージメント
【アイドル/芸能人 官能小説】

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4・揺らぎとキスと甘えん坊-3

「来てくれてありがとう。嬉しいよ」

今度は撫でる様にファンの手のひらを指でなぞったりして、なんかいやらしい。
わざとそうやって、くすぐったそうにする女の子の反応を見て愉しんでる様に見えた。

ちょっとやりすぎだと思うけど・・・私は敢えて何も言わず見守っている。

雅は、ブログやツイッターでコメントに返信するのを楽しみにしていた。
でも、もしかしたら現場で直接ファンと交流するのを楽しみにしてるのかもしれない。



「はあー、いっぱい握ったな。みんなスベスベしてて柔らかかったな、へへへ」
「いやらしいわよ雅、そういうの。本性が出てるけど」
「だって嬉しいだろ、皆目がハートになってたからな」


雅は、車の中でさっきの握手会の事を話していた。
やる前の緊張はすっかり消えて楽しい余韻に浸かりながら、話に花を咲かせている。

・・・ふふっ、いい顔してるわね。
少し前から今日を楽しみにしてたけど、いつまでもこういうイベントを大事にしてほしいな。


「俺の歌で元気になってくれるといいな・・・」

ふと、雅の笑顔に影が落ちた。

「どうした?いきなり、雅らしくないわよ」
「いや、なんかレコーディングであんまりいい手応え無かったから・・・ちゃんと歌えたかな、って思ってさ」

冗談でも言ったのかと思ったけど、雅は急に静かになってしまった。
そんな素振りは無かったのに一体どうしたの・・・
ずっと傍にいたのに何で私は気付かなかったんだろう。

「大丈夫よ、雅の歌声、とても良かったから。問題無いわよ、だから安心して」
「・・・・そうか?まりな、慰めてるつもりなのか」
「何言ってるの。そういう事じゃなくて・・・・」
「まあ、いいや。ごめんな、変な事言って」

雅はそれっきり、あまり喋らなくなってしまった。
引き継ぎの時に前のマネージャーから、雅はちょっと繊細な所があるから、と言われたのを思い出す。
私も今まで担当してきたアイドルやアーティストも大体そうだったから、特に構えたりはしなかった。

でも・・・雅はちょっとタイプが違うのだ。
中には雅みたいに寂しいという理由で、休みの時でも電話してきたりする子はいた。
だけど、そう頻繁にはしてこなかったし、送迎の時も家の中に入る様な事は無かったのだ。

甘えてくるくせに、妙にあっちの行為は慣れているかなり変な子だと思う。
・・・私が自分からあまり動かず、受け身ばかりで早く終わればいいって態度だから、余計にそう思うのかもしれないけど。

雅にとってはそれが気に入ってるのか、始まったら簡単には終わらせてくれない。


「・・・・なあ、今日さ」
「・・・いいよ」
「まだ何も言ってねえぞ。まりな、俺の家に・・・・」
「うん、いいよ。行ってあげる、今日は事務所に戻らなくても大丈夫だから」


雅は照れ臭そうに頬を掻いている。
お決まりの事だけど、私から言われたのは恥ずかしいのね。


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