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三人の男たちの冬物語
【SM 官能小説】

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三人の男たちの冬物語(短編3)-6

女は鞭でぶたれる回数を数えることを私に命じた…いち、に、さん…なによ、その声は…もっと
大きな声で嬉しそうに言うのよ…ぶたれて、うれしいでしょう…女の声が床に顔を擦りつけた私
の耳に響いてくる。

ビシッ…ビシッ あぅー!


…あ…ありがとうございます…二十回の鞭打ちに耐えた私は、女の脚に触れることをやっとゆる
された。

締まった足首から膝まで伸びる滑らかな稜線は肉惑的と言えるほど美しかった。ゆっくりその
膝頭に淫靡に唇を這わせると、ストッキングの下から香水のような匂いが鼻先に漂ってくる。

あのハイヒールを履いた妻の脚のように、私は愛おしく夢中で愛撫した。

後ろ手に嵌められた革枷が手首に喰い込みながらも、私は上体を烈しくくねらせ、少しずつ
その形のいい膝頭を愛撫する。そして湿り気のある乳白色の太腿の表面に頬ずりしながら、私の
股間の疼きがしだいに熱をもってくるのがわかる。

その雪肌の太腿とストッキングの黒い刺繍のコントラストが、妖しく嗜虐的と思えるくらい美し
いのだ。私は女の腿に頬をすり寄せ、白い腿の表面の滑らかさと内腿の肌の柔らかさを確かめる
ように舌が蠢かす。
柔らかな内腿の肌が心地よい湿り気をもち、私の舌に吸いついてくるようだった。


私はこんな愛撫によって感じたことは、これまで一度もなかったような気がする。
私のペニスの赤黒い亀頭は、息を吹き返したように頭をもたげ、ぬらぬらと濡れたような光沢を
放っていた。亀頭の色素は斑に模様を描き、幾筋もの細かい皺の刻まれた包皮は、噎せるような
すえた臭いを漂わせていた。そして、赤茶けた垂れ袋の中で睾丸が小刻みにひくついていた。

懐かしいうずきと欲情のすべてが、私の中に戻っていた。そして、欲情しながら、私はアキコの
すべてをふたたび私の中で感じたいと思っていた…。

私の舌が燿華という女の内腿を淫靡にまさぐり、黒いショーツと太腿の付け根に這い上がってい
く。私は透けた黒いショーツに覆われ、こんもりと盛り上がった羞恥の源へ顔を押しつける。
まるでアキコのもののように鼻を擦りつけ、無我夢中でその匂いを嗅いだ。

そて、鼻腔から深くその懐かしい香りを吸い込んだとき、私は烈しく射精をした…。




小雪が窓の外を舞っている。テレビが関東地方の雪のニュースを伝えている。

離婚届を区役所に出したあのときから、もう五年になる。妻が家に戻ることはなかったし、訪れ
た妻の店にはシヤッターが降ろされ、テナント募集の紙が貼ってあった。

私はソファに腰をおろすと、煙草に火をつける。二年ほど前から、私は、ある小さな会社の顧問
として仕事を始めた。
マンションの窓の外は、いつのまにかうっすらと雪化粧をしていた。アキコの顔がぼんやりと
窓ガラスに浮かんでくる。


それは、アキコの古い友人から聞いた話だった…。


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