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Weekday
【大人 恋愛小説】

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Weekday-1

うどんとカレーが好き。
でも、カレーうどんはさほどでもないみたい。
肉よりは魚。
どちらかというと和食が好み。
好き嫌いはなく、なんでも食べる。もしかしたら私には言わないけど嫌いなものも混じってるのかも知れない。

お酒も好き。強い。
私よりピッチが早いのに全然酔わない。変わらない。
同業者のカクテルが気になるのか(彼はバーテンダーだ)、私が口を付けたグラスを引き寄せて呑んでみたりする。
何でも飲むけど、スコッチが一番好きだって言ってた。
いつもロックで注文。
家では飲まない。
自分で買ってくることもない。
たまに思いついたレシピを持ち帰って私に出してくれたりする。お試し。
女の子の感想が知りたいんだって。
こういう仕事の延長は役得だし、大歓迎。
でもOFFの時間に私からスイッチを入れるようなことはしたくないので、私からお願いして作ってもらうことはない。
基本的には、飲むのはお出かけのときだけ。

音楽はレッドツェッペリンが好きだって言ってた。
どんな曲かわからなかったんだけど、聴いてみたら割と有名。聴き覚えある。
でも、ちょっと意外。
仕事場の彼には似合うけど。

電話やメールはあまり得意じゃない。
イマドキ珍しいぐらいだ。そういうとこはオジサン並。
(PCは元々会社員だったから問題ない程度に使える)
必要事項は口頭。またはテーブルの上にメモ。
急な用事のみ、ケイタイ。
だから殆どかかってこない。
元彼と付き合っていた頃は連絡が取れないことがストレスになってたけど、今は連絡なくても全く平気。

友達つき合いはいいみたい。
引越したときに力仕事要員として空手仲間の山下さんという人を連れてきてた。
遠慮のない感じで仲が良さげ。
山下さんは小学2年だという男の子をつれてきてて、彼にも懐いているようだった。
礼儀正しく可愛らしいゴミ集め要員。
終わってからクッキーをあげたら
「ありがとうございます。」
と、あどけない顔で大人のような挨拶をした。
彼らが帰ったあとで「山下に惚れてはだめですよ」なんて言ってみたり。
バツ1なんだそうだ。
気さくで、誰にでも話しかけていけるタイプの山下さんに子持ちとはいえ、ちょっと『しまった』と思ったらしい。
そんな心配しなくても大丈夫なのに。
普段、大人の顔ばっかりしてるから、こういう彼に安心する。

付き合いだしてもう半年になるのに一緒に映画には行ってない。
夜の仕事の彼と会社員の私では時間が合わないから。
お薦めのしあいっこをしている。
あれはイマイチだったとか、あれは見ておいたほうがいいよ。とか。
私はラヴストーリーが好きで、彼は人間ドラマ的なのが好きみたい。
リバイバルの映画やってると、大抵見てたりする。
あ、動物がでてくるのも好きね。動物好きだから。
一度、一緒にいこうか。って言ってみたことがあるけど、なんとなく流れてそれから話は出ず。
案外、ひとりで泣いてるのかな、なんて。(私がそうだからって彼も同じとは限らないけど)

あんまり感情を露わにすることがない。
穏やかな人。
だから、どうしていいのか分からないことがよくあった。
良いのか、本当は嫌だけど我慢してるのか。
でも。
最近、いいんだって思えるようになってきた。
時には強引。
逃げようとしても私は心から絡め取られてしまうのだ。勝てない。
それは全然不快なことではなくて。
だから、いいよね。
私のコトバに細めたその瞳が笑ってるって感じられるから。

さ、もう寝なくちゃ。
電気を消して布団に潜り込む。
考えすぎて目が冴えるなんてことがなくなった。
子供の頃のようにすぐ眠れるようになった。誰かさんほど早く落ちないけどね。

大丈夫。

……朝になれば圭さんが帰ってくるから。

fin.


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