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とある街のとあるモノガタリ
【純愛 恋愛小説】

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来訪-5

「もう二度とここには帰らない。そんなに跡取りが欲しけりゃ、後妻のあの人にでも産ませろよ。俺はこの会社なんかに興味ない! あんたの思い通りにはならない!」



 吐き捨てるようにそう言い、カイキは慎悟に歩み寄る。



「灰稀……!」

「では、これで失礼します。今藤社長。約束はお忘れなきよう」



 にこやかにそう言うと、慎悟は部下とカイキを連れて部屋を出た。





****





 ビルの外に停まっていた黒塗りの車が二台。そこへと歩きながら、慎悟はカイキを手招きし、同じ車へと乗せた。走り出した車の中、慎悟がカイキに話し掛ける。



「あんなタンカ切っちゃって大丈夫かい?」

「………………いつか……言ってたと思います」

「そうか。僕や北山はキミをどうこうするつもりはないよ。今まで通りで良い。ただ、彼に会うことは許さないよ」



 カイキの言葉に慎悟は苦笑しながら、今後のことをさらりと告げた。そして、カイキは反論するでもなく、首を縦に振った。



「しかし、キミは……昔のアキによく似てるね」

「似て……?」



 慎悟がそう言うと、カイキは訝しむ様に振り向く。あれだけ笑顔を振り撒く明希が『同じ』?



「人間嫌いで、誰も信じないし、見ていない。そして、特に身内が嫌いかな」

「!」



 見透かされた。顔を見て、少し言葉を交わしただけで。やんわりとした口調で慎悟は自身の目を指差す。




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