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襖の向こう
【父娘相姦 官能小説】

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娘の告白-1

風呂から上がり、小夜は濡れた髪を渇かしながら怜に言われた事を考えていた。

(お父さんの力になってあげて欲しいの)

怜からお願いされた事は数えきれないぐらいあるが、父親に関しては初めてだった。
いつも仲良く父親と話している妹から言われ、小夜は複雑な心境だった。

父親の顔を見れば反射的に逃げ出す様な自分に、何が出来るのだろうか?

(お姉ちゃんとお父さんは似てるんだよ。どっちも、本音をなかなか言えないから)

そう言う怜は、昔は何でも遠慮せずに口に出して、小夜だけでなく時には銀太郎を怒らせていた。
平然と相手の容姿に関する悪口を機関銃の如くばらまき、頭や尻を叩かれるのは日常茶飯事だった。

生意気だった怜も銀太郎の躾で、今は人当たりのいい娘に成長したのだった。
きっと怜は、父親との思い出は短い時間では語り尽くせないだろう。

しかし、小夜には無い。思い出せないだけかもしれないが、全く無い。
逆さに振っても出てこない。食べ終わった菓子の袋ですら、粉くらいは出てくる。


(お父さんに会いたい・・・)


それは、包み隠さない小夜の心の声だった。力になれるかどうかより、無性に父親と話したかったのだ。
ドライヤーを置いて鏡に写る自分の顔を見つめる。

今にも泣き出しそうだった。
自分の部屋にいる時もした事が無い様な、弱々しい顔・・・
勇志にすらまだ見せた事もないであろう、心の壁が崩れかけている表情だった。


(お父さん・・・お父さぁん・・・!)


思わず駆け出すが勢い余って膝を突いてしまい、無性に涙が込み上げてくる。
いつも父親がいる仕事場までの距離が無限に感じられた。

襖を開けると、そこに居た。
部屋の電気は消してあり、蛍光灯の明かりが真っ暗な空間を狭く照らしていた。

「怜か?約束にはちょっと早いんじゃないか」

銀太郎は振り返らずに言ったが、返事がしない事を不思議に思い顔を襖の方に向ける。
そこに立っていたのは怜ではなく小夜だった。


「さ、小夜・・・?」
「おとう、さん・・・」


小夜は、何年も入れなかった部屋の中に、一歩踏み出す。古びた畳は柔らかくなって思った以上に足がめり込んだ。
一歩、また一歩と近づくうちに、小夜は父親との距離が縮んでいくのを感じていた。

「どうした。何かあったのか」
「うん、あった。ていうか、その、実は怜から聞いたの」

銀太郎の薄い眉が微かに動くのを見て、小夜は話を切り出すのを躊躇ってしまう。



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