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寂寥感
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寂寥感-1

嫌いな過去に何故あなたは存在するのか。
あなたも今同じ風景を見ているのだろうか。
未来を志向しても、常に後ろから見ている。
心が呼んでいる。
優しさは罪だ。
祭りの時のお面だ。
一夜限りの蜃気楼。
朝になればまた人間になる。泣ける悲しみはまだいい。涙も枯渇する程の体内はやがて鈍く感受性がなくなっていく。
寂しさだけが足音を立ててやってくる。
切ないやるせなさをあなたも感じるのか。
胸をえぐられるほどの嗚咽をするのか。
人の感情には序列がある。感情さえなければ、もっと楽に生きられたのに。
寂寥感が怖い。
化け物みたいにヒルみたいに生き血を吸っていく。
血がなくなると人は死んでいく。
一番怖いのは生きながらの死。
それは感情が決める。
心が決める。
切ないほどの溢れ出す思いも何も感じない。
心や感情が散り散りになり、はぎとられ痛くもない。
あなたはどうだろうか。
涙を流す意味を知っているのか。
歓びを知らなければ泣けない。
歓びを果たした後の静けさが怖い。
春の爛漫とした桜を仰いでにっこり微笑むのだろうか。
植物さえも感情がある。心がある。
果たして人間をや。


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