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龍之介
【姉弟相姦 官能小説】

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龍之介・七-2

「俺、葵の話なんて真面目に聞いたことないけど」
「皮肉よ、皮肉。話より体が目当てだもんね」

葵は最近ではそういう系統の話題はあまり口にしなかったので、少し驚いた。

「否定はしない。でも大分大人しくはなっただろ?」
「きっちりやってたじゃない。そりゃ頻度は減ったけどね」

教員採用試験に受かるにはとにかく勉強量が大事だ。
また、せっかく受かっても大学を卒業出来なかったら台無しになるらしい。
なので最後の最後まで気を抜けない日々を送っていて、見ているとかなり大変そうだった。

高校を出たら勉強するつもりも無かったので全く知らなかったが、先生になるのは大変だとようやく理解した。

・・・だから、葵が集中できる様に我慢してきたんだ。
それが罪滅ぼしになるかもしれないと自分に言い聞かせて・・・できる限り支えてきた。

高校の時は葵の時間を奪ってばかりだったから、せめてこれからは自由にさせたかった。


「そのー、うん、まあ・・・あれだ。ごめん、葵」
「ん?だからやらせろって?だーめ、先生は行いが清く正しくなくちゃ」


頭をくしゃくしゃする葵の手を掴み、甲にキスしようとしたら本気で嫌がられた。
葵はどう思ってるかは分からないが、またこうやってふざけあえるのは幸せだよな。

頑張ったのは葵自信で、俺に出来た事は勉強の合間にコーヒーを淹れるのと、時折励ますくらいしか無かった。

そうしているうちに葵が俺に笑いかけてくれる様になって、嬉しくなった。
大げさだが自分の行動に初めて意味がある、と感じたかもしれない。

葵の為に何かをしたい、という想いは深くなっていった。
・・・その代わりに、体を求める欲求は徐々に無くなっていった気がする。

息の匂いを嗅ぐだけで押し倒してた獣の俺が、今や犬の如く尻尾を振るだけだ。

「学校はどうだ、面白いのか」
「授業中携帯使ってる生徒は厳しく注意しろって言われてるの。でも、気持ち分かるんだよね、机に向かってるとメールしたくなるよ」
「先生の言うことじゃ無いよな。うちじゃ、携帯がいらないなら運転中に私用で使え、って言われたんだぜ。板チョコみたいに割ってやるって」
「分かってる。取り敢えず一回は見逃すけど、続けるならちゃんと注意してるから」


目の輝きが眩しく感じる。
真剣な表情で語る様子は、俺には少し光が強い。
今の葵にとっては教師が何よりも大切なんだとよく分かる。


(・・・俺よりも大事なのかな・・・)


ふと浮かんだ考えを、考えすぎだと直ぐ否定した。
葵はもう、自分の目標をしっかり持ってるんだ。他と秤にかける物じゃない・・・



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