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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#01  邂逅-7

「サボり?……ああ、体育か。別に問題はないだろう。今学期の出席数は十二分に満たしているし、夏季休暇明けのテストだって点数は取れる。だったら、この夏の真っ昼間に屋外で運動する理由はないさ。それに、今日は寝不足でね」

「そ……そうか」



『今日は寝不足でね』だけで充分だろうに、長々と岐島はご高説を垂れ流した。

話していて分かったが、コイツはかなり陰険なタイプだと思う。いや、陰険……というよりも、冷酷、不遜と言ったほうがいいのか?切れる上に情がないのだ。

まぁ、物凄く他人に気を使わない人間である。いい意味だと――本当に、お世辞で言うとしたら――マイペース、自分をしっかりと持てているってことだろう。



「そういうきみは、どうしたんだ?また、遅刻か?」

「またって、おい……。ああ、そうだよ」

「今日で…………三十回目――だったね?」

「んだよっ!悪ぃか!?」



――いや、悪いに決まっているんだけどね。

私は分かっていながらも、反射的にそう叫んだ。

……い、いやいや、根本的になん岐島は私の遅刻数を知ってんだよ?数えていたのか?胸くそ悪い。



「つーか、なんだ、おまえ?私のこと、観察日記でも付けてんのか!まさか、ストーカーッ!?うっわ!最近、妙な視線を感じると思ったら……」

「……極めて不名誉な名称をつけないでくれ。別に記録したわけじゃない。ただ、思い出しただけだ。そして、数えた――それだけだよ」

「数えたって……」

「一学期、たったの六、七十日。その朝にあった出席確認を思い出すだけでいいんだ、覚えていないほうがどうかしている」

「いや、そりゃ――そうか?無理だろ」

「それは注意力と洞察力が欠如しているんだね。気持ちを落ち着けて、バランスの取れた食生活をした方がいい」

「おい、コラ……」

「まぁ、いいさ。きみが何回、遅刻しようが休もうが俺には関係のないことだ。そして、それと同じく、きみに貴重な睡眠時間を割いてまで身の潔白を証明する意味もない。マッチは上げるから……じゃ、おやすみ」



散々、人をコケにした挙句、勝手に眠りやがった。

私は手に握らされたマッチ箱を見つめ、早速、寝息をたて始めやがった岐島を見つめる。

なんだか、敗北感を覚えないでもないが――ま、いいか。

床に擦りつけられた岐島の吸殻を拾い、私の携帯灰皿に入れた。




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