投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『魔人』と『女聖騎士』
【ファンタジー 官能小説】

『魔人』と『女聖騎士』の最初へ 『魔人』と『女聖騎士』 79 『魔人』と『女聖騎士』 81 『魔人』と『女聖騎士』の最後へ

第二話――魔人と聖人と聖女の王国-5

――魔導師の実力とその使い魔の能力は比例する、というのが通説だ。

『魔人』とまで謳われるパスクの使い魔なのだから、それだけであるはずがない。



アリスのそんな疑問を孕んだ眼差しを無視し、パンは不快感を隠そうともせずに言う。



「――お・は・よ・う」



「ええ、おはようございます」



それでも、パスクはニコリと微笑んで返した。

パンは「ふんっ」と小さく鼻を鳴らすと続ける。



「無事、国境を越えて――ペガススに入ったわよ。体調に変化は?」



「いえ。これといって……」



「……?」



アリスは首を傾げた。



――台詞自体には問題はないが……。文脈がおかしくないか?

これでは『パスクがペガススに入ると体調を崩す可能性があった』かのように聞こえるではないか。

これだけ、ペラペラと毒を吐けるのだ、まさか言い間違いなんてことはないだろうけど……。



「あ、そ。なら、良いわ――どうぞ、周囲を気にせず、イチャイチャを再開しなさいよ」



「はい。では――」



アリスが疑問符を浮かべたことを承知で、主従は会話を終結させた。

パスクはアリスの方へと視線を戻す。




『魔人』と『女聖騎士』の最初へ 『魔人』と『女聖騎士』 79 『魔人』と『女聖騎士』 81 『魔人』と『女聖騎士』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前