投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『魔人』と『女聖騎士』
【ファンタジー 官能小説】

『魔人』と『女聖騎士』の最初へ 『魔人』と『女聖騎士』 94 『魔人』と『女聖騎士』 96 『魔人』と『女聖騎士』の最後へ

第二話――魔人と聖人と聖女の王国-20

「貴様は、『魔人』であり、ゴルドキウスの兵だッ!それ以外の何者でもない!馬鹿者共が、敵の甘言に騙されるなッ!さぁ、討て……討つのだ。この『聖人』を語るふけい――」





――ヒュンッ!





「が、は……?ぁ……あぁ――」



流星の如く、天から降ってきた影に男は胸を貫かれた。

それは、槍だ。

騎馬兵が用いる、突撃用の円錐型の槍である。



己の胸を穿った、自身の太股以上の太さのソレを男は見つめ、目を見開き、そして――絶命した。

力失くした男はそのまま前のめりに倒れ、地へと伏す。

トサッ……、と乾いた音が木霊した。



「……………………っ!――な、なんだ!?」



アリスは事態の変化に付いていけず、たっぷり十秒は思考が停止していた。

それでも、なんとか現状を整理するとあわてて空を仰ぎ見る。



プカリ、プカリと白い雲が浮かぶ蒼天に黒い影が幾つか、陽光を背に飛んでいた。

鳥ではない。かといって魔獣や竜族の類でもない。

隣に立つマデリーンがそっと呟いた。



「ペガスス――『白の姫』か……」



「……え?」



「なんだ?知らんのか?――――ん?いや、そうか。アリスは知らなかったな。あの方は『ペガススの聖女』フィル王女。そして、聖獣『ペガスス』とペガススの無識種を駆る、彼女の親衛隊――『純白の』天馬騎士団」



「むしきしゅ?」



「……。アリス……ソレは知っとけよ。まぁ、後でおまえの『聖人』様にでも聞け。それよりも行くぞ?」



「は……はい!」



アリスは上司の台詞の主語に疑問符を浮かべたが、すぐに主君の存在を思い出し、マデリーンの後を追った。


『魔人』と『女聖騎士』の最初へ 『魔人』と『女聖騎士』 94 『魔人』と『女聖騎士』 96 『魔人』と『女聖騎士』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前