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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉
【レイプ 官能小説】

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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-28

「もう、エッチ!」
「エッチって、そこ男湯だろ。しょうがないじゃないか……」
「そうだけど、だって、誰も来ないと思ったし」
「誰も来ないって、どういう理由で男湯に入るんだよ?」
「どんなものかなって見てみたくなったのよ。わかるでしょ? 武彦だって女湯を見てみたいとか思わない?」
 首を傾げたくなるような理屈だが、女の園を覗いてみたいのは彼も思うところがある。
「まぁ俺だからいいけど、そういうのは今後慎むように」
「はーい」
 さつきは元気よく返事をすると、今度は女湯へと行く。
「一緒に入るか?」
 冗談交じりにそう言うと、彼女は笑いながら、
「髪を乾かすだけです〜」
 と返した。
 武彦もさっそく湯を浴びようと、気に留めずにお風呂へと行く。

 スポーツ施設なのだが、なぜか浴槽がうちと外に二つある。
 内側は広めで、銭湯でよくみるもの。外はというとガラス壁で仕切られた箱庭のようなところにちょこんとある。風呂としては小さいが、露天というところに価値があるのだろう。
 ものはためしと入ってみると、朝の涼しさとお湯の熱さでなかなか良い気分。
 気になるのは竹の垣根。向こうにはいわゆる女の園があるのだろう。ただし、無人の。
 もう少し早く来ればさつきと混浴が楽しめたかもしれないと思うと、悔やんでならない。
 朝の生理現象の半分は、先ほど見た彼女の白い肌のせいも多分にある……。

**――**

 朝食を終えた部員達は、二台の車に別れて観光地を巡る旅に出ていた。
 運転席の後ろでは情報誌を片手にどこへ行くかを話し合う声が交わされるが、武彦は渋い表情。
 その訳はメンバー。
 十四人の部員を運ぶのに、中型車二台で間に合う理由は、道路交通法違反ではない。
 単純に二人が観光を辞退したのだ。
 一人はさつき。
 午後のバーベキューの準備があるからと言い、残ったのだ。準備はみんなですれば良いというが、彼女は自分の仕事だからと拒んだ。
 責任感の強い彼女に手抜きを望むことを難しいと判断した武彦はしぶしぶ頷いた。
 だが、問題はもう一人。
 克也が残ると言い出したのだ。
 自分が残れば車が二台で足りるわけで、ガソリン代を浮かすことが出来る。バイトの仕事があるから。それが理由だった。
 武彦としては納得できなかったが、その理由はあくまでも個人的な理由。紀一に参加させるように促してもらったが、小型車にナビがついていないこともあり、克也の意見に従ったのだ。
 非常に面白くない展開である。
 大切な彼女が狙われている。普通の男ならまともでいられるはずもない。さらに言えば、昨日の密室の時間、乱れた彼女の服、外れた彼のボタン……。
 疑うには十分の状況証拠。
「次、左な」
「……あ、ああ」
 ナビを操作する智之の声がなければ、きっと冷静ではいられなかったであろう。


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