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『魔人』と『女聖騎士』
【ファンタジー 官能小説】

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第一話 ―― 魔人と魔獣と魔導騎士-7

「どうして、貴女が?あまり、この部屋を好きじゃないようでしたが……」



「そりゃ、イチャイチャする若者を邪魔する気はないもん」



「……若者?」



「……彼女、千年ほど生きているのですよ、こう見えても……」



パンの台詞に違和感を覚えたアリスの呟きへパスクは小声で解説した。

チラリ、とそんな二人を見つめたパンだったが、何ごともなかったかのように続ける。



「それでさ、パスク――アンタ、いまの状況ってのを分かってんの?」



「……状況、ですか?」



「そうっ、この砦と帝国とラクシエラ大陸の状況よっ!」



「えっと……」



現在、このゴルドキウス帝国の北東の国境に面したアムシエル砦は隣国リンクス王国を領土にしてはいたが、それでも国境線に面していた。

帝国から見てリンクスと隣り合うように領地を持つペガスス王国との国境だ。

リンクス王国、ペガスス王国など幻獣の名を冠する大陸東部の国々は八ヶ国ある。

同盟こそ結ばれていないにしても、この八ヶ国はユニコーン皇国を中心に『聖獣八ヶ国』と呼ばれる友好関係を築いており、つまりはリンクスを攻め落とした外敵――ゴルドキウス帝国への反発が強まっているのだ。

七ヶ国の兵力を統合すれば、帝国の強大な軍にも充分に対抗できる。

その一触即発――の、一触をしてしまった二大勢力の狭間にこのアムシエル砦が存在しているのだ。

リンクス王城へとゴルドキウス帝国皇帝ビルヒッドU世、御自ら視察に出向いているため、追従する近衛や騎士隊もリンクス国内に駐留している。

よって、ペガスス王国も手をこまねいているわけだが、絶対に攻撃を仕掛けてこない、というわけでもないのだ。

帝国全軍と張り合えるほどの兵力に、この辺境の砦などでが適うはずがない。

そのため、砦の総指揮官たるデュセッル将軍や大隊長らは気を揉み、眠れぬ夜を過ごしていた。




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