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『魔人』と『女聖騎士』
【ファンタジー 官能小説】

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第一話 ―― 魔人と魔獣と魔導騎士-5

「パンですか?姿を見せてください」



「ぱん?」



「はいはい。ったくぅ……侵入に気付かないアンタにも問題があるでしょうに、『魔人』様」



脳裏に小麦粉を原料とする主食を思い浮かべたアリスの、すぐ目の前の床が歪んだか、と思うと、スゥゥ、と大気中から滲み出るかのように小さな像が現れた。

それは四足で、アリスの腰辺りまでの大きさ、真っ白な毛並みに細長い尾が特徴的な動物である。

アリスはこれまでの人生経験から、その動物の名称を判断し、口にした。



「猫?大きな猫がしゃべ――」



「だっ――誰が猫よ、誰がっ?アンタの周りの猫はこんなに大きく、しなやかで、美しく、知性があったっての!?」



「いや、それは……なかったが…………ならば、魔獣か?」



「んま、似たようなもんよ。はっ――正解にたどり着くのが遅すぎよ、アンタ。馬鹿じゃないの?」



猫に――自称、魔獣らしいが――鼻で笑われ、馬鹿呼ばわりされることに耐性のないアリスは少々、腹が立った。

いや……きっと、耐性のあるなしに関わらず、癪に障る物言いだ。

だから、言ってやった。



「む……パスク、なんなんだ?この口の悪い『猫』は?」



「ま、まままた、猫と言いやがったわねっ!この捕虜の分際でぇ〜!」



「なんだ?知性はあっても、短気なのだな?」



「なんですって、この敗戦兵風情――」



「パン。少し、お黙りなさい。いまのは貴女が悪いですよ」



「くっ……ふんっ、お熱いことでぇ。パスクの場合、この女が村一つ、焼き払ったって庇うんでしょうね」



「アリスさんはそんなことをしません。もし、したとしたら、何者かの陰謀か、言うに言えぬ事情があったのでしょう」



「ほらね、ほらねぇっ!いいわよ、もうっ……べぇ〜、っだ!」



アリスは猫が舌を出して悪態を吐く姿を初めて見た。

ちょんちょん、とパスクの袖を引っ張ると疑問を再び、口にする。




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