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『魔人』と『女聖騎士』
【ファンタジー 官能小説】

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第一話 ―― 魔人と魔獣と魔導騎士-24

「ふんっ。貴様の敗因を教えてやろうか?それは、貴族に生まれなかったことだ」



「ほう?」



「貴様が貴族で、それほどの力があったのならば、誰もが、かしずいた。少なくとも部下に内通されることなどはなかったのだ。裏切られたのは貴様が平民だったからだ」



「確かに、ねェ……」



パスクはデュッセルの背後に立つグエンへと目を向けて頷いた。

グエンは勝ち誇ったような笑っている。

そして、パスクは老騎士へと視線を戻すと「しかし――」と続けた。



「その理論は少し、違います」



「なに?――――ッ!」



――シュンッ!



パスクの言葉に首を傾げたデュッセルへ突如、凶刃が迫った。



――っ!ジーン・クルバッ!



アリスは目を見開いて、直前まで自分の首筋にあてがっていた刃をデュッセルへと振り下ろす黒衣の魔導騎士を見つめた。

デュッセルはとっさに両腕で首と胸を庇ったが、ジーンの剣の狙いは別であった。



キィイィィン……



「むぅ……」



デュッセル無傷にもかかわらず、呻く。

腰に吊るしていた乳白色の宝玉を納めた腰飾りを両断されたのだ。

ジーンの暴挙に、この場の誰もが一瞬、固まった中で唯一、動いた者がいた。




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