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『魔人』と『女聖騎士』
【ファンタジー 官能小説】

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第一話 ―― 魔人と魔獣と魔導騎士-15

「では、行くぞ?同志を解放しに、な?」





「――ああ、アリスさん。そちらは、大丈夫でしたか?」



「パスク!きみも無事だったか――良かった」



アリスが地下牢から囚人の移送用に中庭へと伸びた通路を抜けるとパスクが待っていた。

丁度、砦の影になっている場所で、日中でもまず、人は訪れることがないのだという。

久しぶりのような気もする日光の強大な光量に目を細めながらも、アリスは駆け寄り、軽く抱擁を交わした。

すると――、



「あらあら。アリスとは本当に恋人同士になっていたんですわね」



「っ!姫様、これは――ううんっ。ご無沙汰しておりました」



声をかけてきた、パスクのすぐ背後に立つ少女に気が付き、アリスはサッと膝を付いた。

この枝毛一つない薄紫のブロンドを肩の下で纏めた少女こそが、亡国リンクスの王女エレナである。

温室育ちを絵に描いたような真っ白な肌に、大きな瞳の垂れ目と真っ赤な唇を持つおっとりとした雰囲気の少女で、今年十九歳になる。

身体付きも撫で肩に小さな胸部、細い腰、ゆったりとした腰とふっくらとした、女性らしいもので、その風貌に違わず、性格も極めて温厚であった。

……実は結構、お転婆な面もあるのだが、いまは置いておこう。



「いえいえ、そんな……アリスこそ、元気そうでよかったわ。まぁ、パスクさんが一緒だったら、当然かしら?」



そう言うとエレナはクスクスと口元に手の平を当てて、悪戯っぽく笑い始めた。

アリスは真っ赤になった顔を上げるとすぐ脇に立つパスクへと視線を送る。

すると、『魔人』は温和に答えた。



「ああ、姫にもお話ししましたよ。覚えておいでになりましたし……」



「ぅ――わ、わたしはやはり、薄情な女だな」



「そんなことはありません。姫とは人生でお会いになった人間の絶対数が違いますからね、アリスさんは……」



「パスク……」



アリスはパスクの慰めに瞳が潤んだ。

だが、パスクやエリスの存在のため、ある重大な事象を忘れていた。




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