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オカシな関係
【コメディ 官能小説】

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オカシな関係1-2

次の日もその男は来た。

日が陰ったのかと外を眺めたら、べたっと私の席の窓ガラスに両手を貼り付け立っていた。
ビックリというか、ぎょっとした。

ところが男は意に介さず、嬉しそうに手を振って店に入ってきた。

「コレね、おいしいよ。食べてね」

小さな指輪のケースほどの白い箱。
私のテーブルに置いて、スッと皿のそばへ滑らせて手を離した。

「え?」
「じゃねー」
「あ…」

ばいばい。手を振りながら店を出ていく。

はい……?
呆然と視線だけ見送る。

これだけのためにきたの?

箱の中にはクリーム色のキューブがレース紙の上に載っていた。
甘い香りがして、お菓子のようだった。
おいしいよって言ってたし。

アヤシイ男と言えばアヤシイ男だ。
でも、どこか可愛らしい感じがして、毒を入れるとかそういう感じはしない。

私は思いきってソレをかじった。

「あら。おいし」

小さいくせに濃厚なチーズケーキ?甘さは控えめで。
香りもよくて。ほのかに蜜柑の香り?

つい1人で笑ってしまった。





男は毎日、小箱にお菓子を詰めてもってくる。
クッキー、ケーキ、チョコレート。
日替わりで。

質も良さげだし、繊細な細工が施されていたりすることもあって、1個だけといえど結構高価な気がする。

「ね、どうしてコレくれるの?」
「好きだから」
「え?」
「お菓子、好き?」
「うん」
「そう、よかった」

男はいつも通り小箱を届け、ニコニコしながら帰っていった。
ちょっと煙に巻かれた感じ。

……なんか可愛いわ。






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