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【言の葉―双子―】
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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【言の葉―双子―】-1

『好きちゃう』と彼は言った

『いらん』と君は言った

でもほんまはさ

喉が裂けても
言えへんことやから

ぴーちくぱーちく

会うたんび
皮肉ってたんやろ?

煩かったわ
ほんまに

ほんまは死ぬ程お互いが『好き』なくせに

ほんまは死ぬ程お互いが『欲しい』くせに

「言えばええやん」
って私の口癖

「言えるか、阿呆」
って2人ともおんなじ反応

からかうの
おもろくて

好きやった

2人見てんのがすんごく


…あのとき

言われへんかった

そんなん
言われへんよ

御免な

御免

ほんと、御免…

罪悪感が身に沁みる

どんな結果になろうとも
2人手繋いで生きて欲しかった

2人手繋いで死んで欲しかった

『なぁ、〇〇…あいつに伝えてや――………』

言われへんかった

言われへんよ

私、2人見てんの、好きやったもん

すんごく、ね


同じ日に
別の場所で上がった
送り火

あれは

言えなかった私への戒めと

不器用過ぎた2人の悲しみ

だったのかな


『なぁ、〇〇…あいつに伝えて。
愛してるから、
いっせーのせで一緒に死のかって』


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