囚われからのプロローグ-29
「ま、まさか、パスクも初めてだったのかっ！？」
「……はい。恥ずかしながら」
「いや、しかし……なんだ？その、手馴れているようだったぞ？」
「それは、まぁ……本などから仕入れた知識でして……」
「……は？本？」
「……はい」
「………………」
「………………」
アリスとパスクは無言で見つめあった。
そして、アリスはボソリと告げる。
「…………ムッツリめ」
「う、うぅ……すみません」
「……まぁ、いい。同じ立場だしな、うん。わ、私も経験がないのだ。初めてのパスクに酷だとは思うが、できるだけ、優しくしてくれると助かる」
「はい。善処します」
「ああ、よろしく……ふふっ」
「……？」
アリスが漏らした最後の笑みの意味が分からず、パスクは首を捻る。
だが、答えは見つからなかった。
口では「ムッツリ」と言ったアリスだったが、実際はパスクが始めてであることが嬉しかったのだ。
このとき、初めて、アリスは自分が独占欲の強い性質なのだと、知った。
「で、では……」
「……うむ…………んっ？」
パスクはソロリとアリスの秘部へと手を下ろし、そして、そっと触った。
しかし、アリスが漏らした声にすぐ、手を離した。