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〈蠢く瞳〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢く瞳〉-4

あれから三ヶ月。
中学校テニス大会が行われたが、当然の如く夏帆は選手にはなれなかった。
白い肌は日に焼けて、先輩達と同じく小麦色に変わっていたが、肝心のテニスの方は、練習についていくだけで精一杯で、大会に出場出来るだけの技量など持ち合わせてはいない。


有海「……よし!」


他校の生徒と比べても、一際小さな有海がコートに向かって駆けていく……純白のテニスウェアを纏い、気合いの入ったその姿は、夏帆には眩し過ぎるくらいに美しかった。


夏帆「棚瀬先輩!!頑張って!!」


黄色い声援に、有海は振り向いた。
そして、小麦色に焼けた美少女は、少しだけ微笑みを浮かべて右手を振り上げた。


夏帆(先輩……)


小さな身体をバネのように弾ませ、有海はボールを打ち返す。
コートを縦横無尽に駆け回り、凄まじいばかりの球速で相手を翻弄して全力で戦う有海の姿に、夏帆の胸は熱くなっていた……。



夏帆「お疲れ様でした!」


感極まり、涙目になりながら、全試合の終えた有海に夏帆は駆け寄った。
結果は三位。
惜しくも敗れたとはいえ、その戦いぶりに夏帆の感動は治まる事を知らなかった。


有海「ふぅ〜…、どうにか格好はついたかな?」


優勝を逃した悔しさを滲ませながらも、悪戯っぽく笑って見せる。
その姿もまた、夏帆にはたまらなく可愛く、凛々しく見えていた。



『棚瀬、全力を出しきれたか?』


顧問の田尻が、有海の傍に駆けより、優しい口調で語りかけた。
有海の身体が一瞬ピクリと動き、その声の方へと顔を向けると、コートの土で汚れたままの掌を、ギュッと握り締めてプルプルと震わせた。


有海「…すみません。負けてしまいま…した……うぅ……」


顧問の顔を見た瞬間、有海の表情は崩れ、大粒の涙を零して泣き出した。
入部以来、厳しい練習に耐え、今度こそと挑んだ大会。
そこでの敗北に、その悔しさに、堪えていたものが一気に噴き出したのだった。


『一年生の時は、ホントに下手くそだったろ?それが今じゃ大会で三位だ。一年生の時のお前が、今のお前を見たら驚くぞ?よくやったよ、よくやった!』


ポンと有海の頭に手をやり、田尻は満面の笑みを浮かべた。
なんとも優しい眼差しで、成長した生徒を見つめている……その美しい光景に、他の部員達も涙を零していた………。






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