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『冬空』
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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『冬空』-1

冬が嫌い、という貴方に
そうだね、と相槌を打つ私
お互い薄すぎる会話だと
わかってる

薄氷の上を歩いているような感覚
その冷たさに目眩がしてくる
氷が砕け散る様は
綺麗かもしれない

君が好き、という貴方に
私も、と相槌を打つ私
お互い雨が降りそうだと
気がついていない

泣き出したいような感覚
その儚さに微笑みすら浮かんでくる
もっと早くに泣ければ
良かったのかもしれない

空から冬が降りてくる
そうなる前に
温め合った二人の手を離そう……


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