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JoiN
【コメディ 恋愛小説】

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JoiN〜EP.4〜-2

『じゃ、台本は明日渡すから。おめかしして待ってな!お疲れ』
「はい!お疲れさまです!」

携帯を机に置いて、時計を見たら朝の8時だった。
日曜日でもマネージャーは関係ない。まるでコンビニだよ、と立花さんが苦笑いしてたのを思い出した。

休み無くお仕事してたらどんな人でも倒れると思う。
だから、日比野さんも多分・・・

「・・・?」

一旦眠りかけた携帯が目を覚まし、私を呼んでいる。
立花さんまだ話す事あるのかな、と思いながら開くと、違う番号が表示されてた。

「えッ?うそ、どうして」

丁度この人の事を考えてたから、突然の電話にもしかして見られてるのかと少し驚いた。
風邪で寝てるはずなのにどうして・・・?


「もしもし、日比野さん?」

返事が無い。
確かに出た音は聞こえた。でも、何も聞こえない。

「日比野さんてば。大丈夫なの?」

また、返事が無い。
声をかけた相手がそこに居ないんじゃないかと、訳の分からない不安が押し寄せてくる。
電話に出るのも辛いの、それなのに私にかけてきたのは、いったいどうし・・・


『俺はもうダメだ。手遅れだ』


やっと聞けた。
でも、こんな言葉を聞きたかったんじゃない。
弱気になるなんて日比野さんらしくないよ。笑って、お願い。
またいつもみたいに私に疎ましく思わせて・・・


『栞菜を想うあまりに、恋のクレバスに落ちた。もうはい上がれない・・・もぐらとして生きなくては』

・・・返してよ。
一瞬でも心配した私の気持ちを返して!

「切るよ」
『愛してるぞ栞菜。お前の為なら俺は何でもする』
「風邪ひいたんじゃ無かったの?立花さんにウソついたんだ!」
『情報が早いな。ウソじゃ無いぞ、昨日は気分が悪くなってすぐ寝たんだ』
「何か今も具合悪いふうには思えないんだけど」
『俺は考え過ぎると頭が過熱して熱を帯びるらしい。でももう大丈夫だ!これも栞菜のおかげさ!』

・・・多分、体調を崩したのはウソじゃないと思う。
軽薄そうな高めの声が枯れて、聞いてると喋り辛そうに感じる。

それでも、普段接してるのと変わらなく思えた。
変わらない脳天気さに、昨日本当に悩みを打ち明けたのか、自信が無くなってくるぐらいだった。

「何か用事?」
『玄関開けてみろ。答えるよりも速く、光に負けずにだ』
「なんで開けなきゃいけないの?」
『いいから。すぐに分かるさ、そしてお前もクレバスに落ちる』

私の言葉に食い気味に返事をして、ドアを開ける様に促してくる。
なに、この有無を言わせないぞみたいな言い方。
立花さんが言ってたけど、日比野さんは相手の都合を考えないところがあるみたい。

もしかして外に・・・いや、考え過ぎ。でも、あの人の場合は有り得そうだから・・・


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