投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

イカないと決めた日
【SM 官能小説】

イカないと決めた日の最初へ イカないと決めた日 0 イカないと決めた日 2 イカないと決めた日の最後へ

イカないと決めた日1-1

私は松永奈緒子…まだ辛うじてアラサーと言えるくらいの年齢です。
ある出版関係の会社の事務の仕事をしています。
ややぽっちゃりして、眼鏡を掛けてはいますが…それ程不可のある顔付きではありません。
ただ…性格も容姿も地味なので飲み会等に誘われる事も少なく…彼氏もいない寂しい女です。
そんな私ですが仕事は真面目で…その甲斐あってか、この春から経理部の主任を任される事になり数人ですが部下と呼べる人員もできました。
今年二年目の田口君もそのひとりでした。

その日…私は急ぎの伝票整理があり残業をしていました。
田口君も一緒でした。
「主任と残業できるなんて光栄だなぁ。」私が言うのもなんなのですが…男性としての魅力をほぼ感じさせない田口君がKYな発言を繰り返しています。
いつも黒くて短い髪を後ろに纏め、黒縁の眼鏡をかけた私の顔が地味な事は自分が一番よく知っています。
ただ胸とお尻が平均より大きめな事も。
「主任…終ったら食事でもしませんか?」隣の机から田口君がその丸い顔でニヤニヤと笑っています。
「残念だけど…それより早く終らせて。」私は田口君に取り付く島を与えません。
いくら私が寂しい女でも…ミートソースの染みをYシャツの胸元につけて…人前で平気で鼻クソをほじる様な男はごめんでした。
「主任はデートとかは何処に行くんですか?」私の放つ冷たい空気をまったく読まずに田口君がしゃべり続けます。
「僕が前に見たAVでこんなのあったな…女性の上司と男性の部下が残業してて…」
「いい加減!黙って仕事しなさい!」まったく…この男だけは…私は遂に声を荒げてしまいました。
田口君は悪びれる様子もなくフケを撒き散らしながら頭をかいています。
「ちょっとトイレ行ってきますね。」田口君はわざわざ私に報告してから席を立ちました。
“あら?”だらしなく少し開いた机の引き出しの中の物が私の目に止まりました。
“なに?”普段は何も入っていない引き出しだったので…私は好奇心から引き出しを開けました。
“やっ!やだ!”ドぎつい表紙のSMの雑誌でした。
“田口君たら…なんて物…もって来てんのよ!”そう思いながらも…雑誌の中身が気になってしまいました。
実は私…まだ二十代の初めの頃…一年くらい付き合った人がいたんですけど…その人がけっこうなSだったんです。
私は経理室のドアに注意を払いながら…雑誌をパラパラとめくりました。
“す…凄い…”かなりハードに女性を調教している写真が何ページも掲載されています。
“田口君…変態だわ…”かなりドエムの素質のある私でしたが…田口君に対してはドン引きでした。
“何これ?……やぁぁぁぁぁ!”私の写真でした…数枚の私の写真がSMの雑誌に挟まっています。
経理室のドアの方で人の気配がします。
私は慌てて引き出しを戻しました。
「ただいま戻りましたぁ。」間の抜けた声を出しながら田口君が戻って来ました。
私は答える事も出来ずに…震えていました。
気持ち悪さでいっぱいでした。
私をいやらしい目で見ていた変態が隣にいると判ってしまった以上は落ち着いて仕事なんて出来ません。
「主任…」
「主任?」私の態度に違和感を感じたのか田口君が訝しげに声をかけてきます。
私はうまく返事が出来ません。
「主任は彼氏とかいるんですか?」あからさまなセクハラでした。
“なに馬鹿な事聞いてるの!”普段ならそう叱りつける事も出来たのでしょうが…今の私にはそんな余裕はありません。


イカないと決めた日の最初へ イカないと決めた日 0 イカないと決めた日 2 イカないと決めた日の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前