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唯高帰宅部茜色同好会!
【青春 恋愛小説】

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唯高帰宅部茜色同好会!(第二章)-4

***


「最後はここ!日本で五本の指に入ると噂のお化け屋敷ー!」

マリィはじゃーんと手を広げると、いかにもといった感じの建物が眼前にあった。

「…こいつは怖そうだな」
「ここ知ってるよー、たまにテレビで見るもん」
「こんなところにそのような穴場があったのですね」

「午前中はここで終わりね。さあみんな、レッツゴー!」
マリィが先頭で入っていくのに合わせて俺たちもぞろぞろと後ろを付いていく。
だが、振り返るとユーリだけが立ち止まっていた。

「……」

顔が青い。

…なるほど、完璧男にも弱点あり…か。

俺はユーリの立ち止まっているところまで戻り、声をかけた。
「ユーリ、乗り物酔いってことにしとくから」
「あ…ああ…悪いな」
ユーリは笑っていなかった。よっぽど駄目なのだろう。



「あれ、ユーリはー?」
「ユーリは絶叫系の連発で酔ったから休んでくるってさ」
「どうりでずっと黙ってたわけだぜ」
「無理させちゃったわね」

とりあえず、バレずに順番を待つことができた。


「先頭の人が懐中電灯を持って進むんだって。誰が先頭?」
順番が来ると、マリィが懐中電灯を受け取ってぶらんぶらんと揺らした。
「アッキュ」
「アッキュン」
「あたしもアッキュ。はいアッキュに決まり」
「おい!!」

「いいでしょーリーダーなんだから」
「都合良すぎる!しかも自らリーダーになったわけじゃないぞ俺は!」
無理だとわかっていても、必死に抵抗してみた。
「茜色を結成したのはアッキュだろ。それに俺たちみんな、アッキュがリーダーだって認めてんだぜ」
「…そんなん言われてもうれしくねー」
俺は呟きながら懐中電灯をマリィの手から引ったくった。
「さすがアッキュン!」
「……」
無言でチラリとアイサの顔を見たが、アイサはさっと目を逸らしたのだった。

まあ、アイサだけ俺を指名しなかったから勘弁してやるか…


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