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唯高帰宅部茜色同好会!
【青春 恋愛小説】

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唯高帰宅部茜色同好会!(第二章)-15

***

結局、なんだかデートとは関係ない話をしたまま観覧車は終わってしまった。

これでよかったのか?

「アッキュン!前!」
「……おわっ」
観覧車乗り場から出たところで、俺は少女とぶつかってしまった。

その女の子は小学校低学年くらいか、俺はビクともしなかったが女の子は尻餅をついてしまっている。
「ごめんな!怪我はないか?」
俺は慌ててしゃがみ込むと、小さな手を引いて立たせてあげた。
「ごめんなさいお兄ちゃん、美菜も前を見てなくて。怪我はないよ」
美菜というらしいこの子は活発そうだが、礼儀はしっかりしていた。両親の躾がなっているのだろう。
「美菜ちゃん、パパとママは?」
サキも隣でしゃがむとそう言った。

「パパはたぶん追いかけてきてるよ、ママは待ってるの」
「そっか、美菜ちゃん、パパから逃げられるくらい足速いんだね」
子ども好きなサキはニコニコしながら美菜ちゃんの頭を撫でた。

「美菜ー!」
「あっ!パパ!」
遅れてお父さんらしき人がやってくる。
「勝手に走るなと言っただろう」
ちょっと息切れしているお父さんを見ると、歳はとりたくないなと思ってしまった。
まあその人は別に老けているようには見えないが。

「すみません、娘が迷惑をかけてしまったようで…」
「いえいえ」
するとお父さんの携帯が鳴った。
「あっ!すまん奏!今ちょうど観覧車の前だ!ああ、ごめんって!」
お父さんは電話越しに平謝りしている。奥さんのようだ。

「はは、嫁が車椅子なもので…置いてけぼりにしちゃってますので失礼します。本当にすみませんでした」
お父さんは電話を切ってから俺たちにそう言うと、美菜ちゃんの手をとって歩きだした。
「バイバイ、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
「バイバーイ!」
「……」

「いいなー、子ども」
「尻に敷かれるくらいなら恋愛なんぞしたくないな…」
「なーに言ってるの、アッキュンは誰と付き合ったってお尻に敷かれちゃうよ」
「……勘弁してくれ」
俺は未来を想像して溜め息を吐いた。


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