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調教物語
【その他 官能小説】

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調教物語(その1)-2

その中で、自然と通う内にカップルが出来ることが良くあった。
あとは本人同士が別の場所で話し合ったり、メールなどを交換したりして
リアルで逢ったり、メルトモとして付き合っていたようだった。

中には、そこで付き合い始め、リアルの世界で逢って、
本当の関係になったという男女のカップルもいた。


恭子はそう言う中で、M女ではないが興味があって研二郎の部屋に来ていた。
初めは見学で発言することも無く、楽しく皆の話を大人しく聞いていたが
人が少なくなってくると、研二郎に質問をするようになってきた。

後で聞くと、何度かこの部屋を訪れているうちに、
その部屋の主催としての研二郎の仕切りや話しぶり等から、
恭子は彼に好意をもったようである。

或る日、誰もまだ部屋に居ないとき、
彼女は皆の前ではなかなか自分のことを話しにくいので
もし良ければ個別に、少し教えて欲しいと言った。

それは、皆がよくこの空間で話題にしている(SM)についてである。

恭子は不思議だった。
(何故、或る女性たちは虐められたり、縛られたり、
自分では想像できないようなことに、喜びを感じるのだろうか?
そして、男性はそんな女性を従属させることに
どんな、喜びを感じるのだろうか?)


その答えを、そんな女性たちから聞きたかったが、出来なかった。
ネットという世界では顔が見えないからこそ、
どんな質問もできるはずなのだが、恭子はそれを言う勇気が無かった、
前から誰かに聞きたい世界だったのだが・・。
しかし、研二郎という男性には心から安心感があり、それが彼女に勇気を与えた。


彼女はM女ではなく、フリーの見学者という立場で訪れていた、
こういう質問に、初めての女性にしては珍しかったが、
研二郎も彼女の真摯な気持に惹かれ、
いつしか彼女にこの世界のことを教えていたのである。

研二郎が後で聞いた話では、とにかく恭子は寂しかったようである。
誰かに彼女の寂しい心を聞いて欲しく、
優しい言葉を掛けて欲しかった、ただそれだけの動機だった。

「SM談話室」というネーミングが気になり入ったのだが
たまたま、その相手が研二郎だったと、後で彼女は語った。


研二郎はSMに関することを優しく丁寧に教えている内に
彼女が熱心に聞きながら、心の中で何かが反応してきたように感じていた。
彼は、恭子という女性が人妻だったのをそのとき知った。

SMという特殊な世界を教えているうちに、恭子は彼の虜になっていた。
彼女は、初め畏れていたドロドロとしたその言葉とは違う(官能の世界)がある、
と知ったのである。
それは単に、女性を縛り、
優越感で男性が満足するような単純なものでないことを。

そこには男女の愛と信頼関係に基づくものであることや、
精神的に深いものがあるということも知った。


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