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死神のイメージ
【ファンタジー 恋愛小説】

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死神のイメージ-1

皆さんは¨死神¨と聞いてどんな人物像をイメージしますか。
骸骨が黒いローブに身を包んで、自分の体よりも大きな鎌を持っている、分かりやすい姿ですか。
或いは見る人を皆魅了する絶世の美男、美女を想像するでしょうか。
なんとなく、人間とは掛け離れた存在である・・・漠然とそんなふうに感じる。
そういうイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。


平子尚志(ひらこたかし)

新学期のクラス替えで一緒になって、尚志くんの方から話し掛けてきた。

(・・・普通だ。普通の人だ)

尚志くんの第一印象は二回も心の中で頷いてしまう程、見た目が普通だったのだ。
長くも短くも無い長さの、整髪料をつけていない飾り気の無い黒い髪。
一度目を離したら頭の中で部品を組み立てるのが難しい様な、特徴の無い顔立ち。
見知らぬ生徒にいきなり声をかけられても、特に警戒心を抱かなかったのはそのせいかもしれない。
「この世界は素晴らしいと思うんです。君はどう思います?」

他愛の無い会話の中で突然質問され、直ぐには答えることが出来なかった。

「ん〜〜悪くは無い、かな。あまり考えた事無いな」
「気にしないで下さい。僕がちょっと変なだけです」

自分で聞いといて・・・何を言うんだこの敬語男は。
尚志くんの第一印象は普通過ぎる見た目で、その後の印象は普通時々変な言動の奴に変わっていった。

「今朝は雀が電線の上に仲良く並んでいて、嬉しくて眺めていたら遅刻してしまいました」

ある日授業が始まった直後に教室に飛び込んできて、
可愛いでしょう、とわざわざ待ち受けにした画像を教室中に見せて回った。
小さ過ぎて何処にいるのか分からない、と言われて次は分かる様に撮影すると言いだしたので笑いが起きていた。
真面目な顔でおかしな事をやるので、クラスでは人気者で皆に可愛がられていた。
だから、彼と話した事が無い生徒はおそらくうちのクラスにはいなかったと思う。

「平子、程々にな」

先生は注意なのか、心配しているのかよく分からない事を言って顔を顰めていた。
でも、本気では怒っていないと思う。目元は笑うのを押さえてた様に見えたから。
尚志くんは先生からの質問で間違えた事は無かった。
数学の方程式、意地悪して出す高校生には読めなそうな漢字、音楽の普段読まない記号の読み方まで完璧に答えていた。
天才というのは多少行動が変わっているというけど、直次くんが正にそうだと思う。

「尚志、数学のテストどこが出るかな?」
「そうですね。高橋先生は復習しなさいが口癖ですから、割りと幅広い範囲で出題すると思います」
「歴史はどうかな。教えて」
「石田先生は熱狂的な戦国マニアですから、ある程度武将の名前や戦歴は知っておいた方がいいでしょうね」

どこが普通なものか。
夏休みを迎える頃には、すっかり彼に対する印象が天才へと変わっていた。
只の天才とは違う、現世に舞い降りた天上の人間。大袈裟だけどどこか浮世離れした様なイメージがあった。
誰に対しても常に敬語で相手によって態度が変わる事はなく、博識なのに無駄に自分の知識をひけらかさない。
ひとつのクラス内だけで人気が留まる事はなく、隣からわざわざ話をしにくる生徒も多かった。

勉強は当然のこと、運動も陸上や球技、種目を問わずこなせるので休み時間には部活の勧誘まで集まっていた。


・・・いつしか、私は時折尚志くんを目で追う様になった気がする。
といっても自分では全くそんなつもりは無かった。普通に挨拶もするし、会話もしていたので、特に意識はしてなかった。
ある日友達から頬をぷにぷにと突つかれながら言われて気が付いたんだ。


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