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好きなアイツは会長さん!〜金峰学園生徒会議事録1〜
【コメディ 恋愛小説】

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ドSなお方は書記さんだ!〜金峰学園生徒会議事録其の2〜-1

五月の議事〜議論する生徒会〜
                  (1)
 「はやた、ちょっとちょっと。」
生徒会室の前に来たところで、小春に呼び止められた。「何かあったのか?」と小春の指差すほうを見ると、
投書箱の中に、案件を書いた紙がぎっしりと詰まっていた。
 「…何だ、この量。」俺は唖然として、箱の中を覗き込んだ。すると、小春が「そっか…これはすぐに議題にしなくちゃね…」と呟いた。
「何のことだ?」
「ほら、毎年、生徒会役員の人達で、部活ごとの予算案を提出するでしょ。多分、これって、全部…」
 (あぁ)と、俺は悟った。
「予算案決めろや、見たいな内容だってか?」
「うん、多分…」
小春が嘆息して、投書箱を手に取ったとき。
「あ、おーい!」と夏樹の声がした。
今日は珍しく、千秋さんも、夏樹や冬香ちゃんとやって来た。―まぁ、それはともかくとして…
「どうします?これ、今日のうちに決めちゃいますか?」
「ええ、そうね。どうせ、近々議題にしなくちゃいけなかったんだし。早めに決めちゃいましょ。」
「冬香も…それがいいと思います。」
「んじゃぁ、さっさと会議始めようぜー。あたし、うだうだしてんのって、ヤなんだよ。」
「よーし!じゃあ、早速、作業に取り掛かろー!」
 そう言って、小春は真っ先に生徒会室に入った。―否。正確には、「入ろうとした」と言った方がいい。
何故かって言うと。―小春が、室内に向かう途中、何も無い廊下ですっころんだからである。
転んだだけならいい。ただ転んだだけなら。そう。
―小春が、投書箱を抱えたままでなければ。
 ドシャァッ、という音と共に、小春の抱えていた投書箱が数メートル先まで吹っ飛び、
中に入っていた嘆願書が無残にも辺りに散らばっていくのを、俺たちは目撃した。
 そして。 全員で1つ嘆息して、激怒。
『何やってんだアンタは―――――!』
「ひぅ」
「ったくよー。結局はあたしらが拾い直す破目になるんだぜ?」
「お姉ちゃんっ!あ、あの…会長さん、大丈夫ですか?」
「う、うん。ちょっと血が出たけど、平気平気。」
―何となく、この調子だと、今日の会議は、難航しそうな気がした俺なのでした。
                     (2) 
「それじゃ、改めて、今日の議題!」
小春が、ホワイトボードにでかでかと議題を書き記した。ちなみにこの生徒会の間では、
「ホワイトボードに議題を書いたら議題決定」みたいな暗黙の了解事項がある。
 「『部活動ごとの年度予算案について』…か。じゃあ、さっきのあれを参考にして決定してけば…」
夏樹の言葉にこくっと小春が頷いて、「さっくり決められるはずよ!」と断言した。
「夏樹とはやたで運動系の部活のをチェックして!あたしと冬香ちゃんは、文化系のを見てみるわ!」
こういう時には、頼りになるんだよなぁ。小春は。そう思いながらボーっと小春を見つめていると。
「ハルちゃん、私の割り当てが決まってないんだけど。」
千秋さんが、小春を見ながら聞いていた。小春は、しばし「うーん…」と唸りながら考えた後、
「じゃあ、千秋さんは私たちで決定したのを元に、予算案のリスト作成と計算!って事でいい?」
千秋さんは満足そうに微笑んで、「えぇ」と言うと、ノートパソコンを起動して、リストの作成に取り掛かり始めた。
 「じゃあ、千秋さんに遅れを取らないように、始めよっか!」
小春が言うと共に、各々、担当部活の嘆願書を取り出して、予算の決定にかかった。
 そして、10分後。


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