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【片思い 恋愛小説】

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春B+3.5-3

「でも、あいつはお前に付きまとわれてるって言ったんだぞ?」
「そりゃそうでしょうよ。実際付きまとってたんだから」
「そんな事言う女の何がいいんだよ」
「じゃあ小松さんは睦月さんの何がそんなに気に入らないんですか」
「性格」
「裏表があるから?」
「あいつが俺の嫁に何したと思う?」
「知りませんよ」
「なら教えてやるよ。あいつは―」

そうして小松さんは昔あった事を話してくれた。
睦月さんが付き合っていた相手の事。
そいつが睦月さんから小松さんの奥さんに乗り換えて、それを睦月さんが恨んでいた事。小松さんの奥さんを陥れようとした事。

結果、睦月さんが小松さんと奥さんを引き合わせた…


「…小松さん、もっと睦月さんに感謝した方がいいんじゃないすか?」
「なんでだよ!話聞いてたか!?」
「睦月さんのおかげで結婚できたんでしょうが。結果オーライです」
「俺はそこに至るまでの過程も重視するの」

めんどくせっ
俺の事や自分の奥さんの心配して良い人なんだろうけど、でもめんどくせっ

「俺は裏表の激しい奴が嫌いだからな」

腕を組んでうんうんと頷く小松さんに、どうしても一言言いたくなった。

「小松さんも裏表激しくないですか?」
「俺!?…いや、俺はそこまで――」
「あれですか」
「あれ?」
「近親憎悪ってヤツ」
「は!?」
「そーですよ、小松さんと睦月さんって基本似てるんですよ。今自分で言っててすげー納得した」

そうかそうか。
だからいくら小松さんがめんどくさくても嫌いになれないんだ。

「なわけないだろ!あんなウソつきと一緒にすんな」
「いやいや、小松さんも人の事――…」
「あいつ結婚式でスピーチしたんだ」
「は、へ?」
「スピーチ。うちの嫁の友人代表でさ」

あぁ、そーゆう事か。
主語がないから何の事だか分からなかった。
結婚式か…
睦月さんのフォーマル見たかったな。

「俺ずっと睨んでたんだよ。あいつの事だから変な事言って式を台無しにするんじゃないかって」
「考え過ぎ」
「そしたらあいつ、あろう事か泣きやがって」
「泣く!?」
「そう!あんな公衆の面前でウソ泣きしちゃうあいつのツラの皮の厚さにびっくりした」

泣く?
あの睦月さんが?
…ウソ泣き?

「…」

違う。
睦月さんはウソ笑いは得意だけど、それ以外の表情にウソはない。
短い時間だったけど俺はずっと見てたんだ。
職場ではどんなに忙しくてもイライラしたり怒ったりしなくて、常にあの笑顔をキープしてる。

でも屋上にあの笑顔はない。

もっとずっと自然で綺麗で、俺を睨んだり、呆れ顔で溜め息吐いたり、慌てたり、笑ったり…


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