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無垢
【その他 官能小説】

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破戒-1

ゴンドラがカナル・グランデを滑って行く。絵里は、隆一の腕に抱かれてヴェネチアの古い町並みを見上げていた。そして、絵里の指には大粒のルビーが光っていた。

隆一にヴェニスに誘われたのは、2度目のデートの後だった。10日後に始まる謝肉祭、ヴェニスのカーニバルに誘われたのだ。

隆一は、絵里の始めてのお見合い相手だった。落ち着いた大人の対応を見せる隆一は絵里の理想の男性だった。そして、絵里を見つめる優しげな瞳に、絵里は引かれていた。

初めてのデートは衝撃的だった。隆一は、つき合っている彼女がいること、しかし二人には幸せになれない理由があり、愛し合いながらも分かれなければならないと告白したのだ。そして隆一は、同じことを繰り返さないためにも、絵里との交際を決める前に、二人の体の相性を確かめる身体検査をしたいと言い出したのだ。

何も知らない絵里は、それでも気丈に、隆一を信じて身体検査を受け、そして隆一の体を検査した。その検査はとても恥ずかしいものだった。

隆一は、処女の絵里に甘美な刺激を与え、どのようなアクメを迎えるかを確かめた。
そして、アクメの瞬間に女性が発せなければならない言葉を教えてくれた。

男性の性器に必要な機能と、男性の喜ばせ方を教えてくれた。そして、キスさえ経験のない絵里は、男性の性器が、絵里の咥内に痺れるような快感を与え、その樹液が甘美な飲み物であることを知ったのだ。

検査を終えた隆一は、絵里に交際を申し込み、始めて絵里を抱きしめキスをした。
そして、絵里を大切にしたい、処女をできるだけ守りたいと、アナルで交わることを教えてくれたのだ。

それは、絵里が想像もしなかった刺激的な大人の世界だった。隆一への燃え上がるような思い、激しい喜び、そして不安。絵里は、自分の心から、これほどの思いが溢れでることに驚いていた。そして、隆一を心から信頼し、ついて行こうと思っていた。

隆一も絵里に惹かれ始めていた。最初は、世間知らずな娘をカラカウつもりだった。
しかし、絵里は信じられないほど無垢でありながら、その体は男を喜ばせるための全てのものを持っていた。そして、疑うことを知らず、隆一を信じて従順に従うのだ。
あらゆる女性と交わり、遊んできた隆一は、絵里が最高級のダイヤモンドであることに気づいていた。

絵里は隆一の腕に抱かれて、ヴェネチアの古い町並みを見上げていた。マルコ・ポーロの邸宅を眺め、リアルト橋をくぐっていく。隆一は、混雑を避けるため、二人専用のゴンドラをチャーターしていた。夕食を早めに済ませて、明日から周るヴェネチアの街を巡り尋ねる。あちらこちらからカンツォーネが聞こえて来る。夜のヴェネチアは幻想的で、ため息がでるほど美しかった。

「絵里。ヴェニスの街は気に入ったかな?」

「本当に綺麗。もう、最高の気分です。」

「そう。何度来ても、感動するよ。
絵里と一緒に来ることができて良かった。」

ゴンドラが細い運河へと入っていく。

「絵里。これから仮面を買いに行くんだ。
その仮面を付けて、カーニバルに参加するんだよ!」

「仮面ですか?リストランテの周りにも素敵な仮面が沢山ありましたね。」

「そうだね。でも、これから行く店は、観光客用のものじゃない。
中世に作られた本物の仮面を置いている店なんだ。」

「本物ですか?」

船着場にゴンドラが寄せられる。隆一は、先に岸へ上ると絵里を抱き上げた。
隆一の腕に掴まり路地を入っていく。人一人が通れるだけの狭い路地の突き当たりに、
小さなドアがあった。隆一がそのドアをくぐっていく。その後を絵里も続いていった。


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