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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風〈決意篇〉-16

「私の目的は、絶望から救い出してくれた大切な友人、永と貴未を守ること。二人がカリオに帰れるように命懸けで守ること。」

初めてカルサの目を見た。マチェリラの決意、それは再開したときから変わらない。

「そして、この太古の因縁の終わりを見届ける。もうこれ以上縛られるのはゴメンだわ。」

「ああ。オレもマチェリラも…長く苦しんだ。もう終わりにする。」

カルサの言葉にマチェリラの目は潤む。きっと数えきれない出来事が思い出されたのだろう、口元に力が入り必死に何かを堪えていた。

俯き、震えた深呼吸をする。落ち着きを取り戻し、ゆっくりと顔を上げた。

「一緒に行かせて、カルサ。」

燐とした姿、マチェリラの声にカルサは頷く。

「宜しく頼む。」

マチェリラは応えるように微笑んだ。そして視線を貴未に移しまっすぐに彼の元へ歩きだす。その表情はとても穏やかで幸せそうだった。

「マチェリラ。」

まっすぐ自分の所に向かってくる彼女に貴未は名前を呼ぶことしか出来なかった。

「貴未。」

応えてマチェリラも貴未の名を呼んだ。彼の目の前で足を止める。

「私は命を懸けて貴方を守る。だから貴未は必ず永を見付けて、助けてあげて欲しいの。」

「命って…オレにそこまでしてくれなくてもいいんだよ?」

申し訳なさそうに、貴未は話す。

「貴方が思うより何倍も私は貴方達に感謝してるの。私は二人に幸せになってもらいたいだけ。」

でも。そう言おうとした貴未の口の前に人差し指をあてマチェリラは言葉を遮った。小さく首を横に振り微笑む。

「また三人で他愛もない話を沢山するの。その幸せな時間を取り戻す為に私は戦うのよ。」

マチェリラの目は輝いている。

昔、まだ今より幼かった頃はよく三人で話をした。草原の上に座って、あるいは寝転がって、取り留めもない話を時間を忘れて話していた。

毎日が楽しくて、全身で感情を表現して、素直に生きていた頃。幸せだったあの時間を取り戻したい。

マチェリラが笑っている、彼女の思いは未来に向かっている。

貴未は微笑み頷いた。


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