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恋なんて知らない
【初恋 恋愛小説】

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恋してくれますか-7

***


閉じたまぶたの上に、明るく澄んだ空気を感じる。

心地好いまどろみの中で、風が私の頬をさらさらと流れていくのが分かった。

まだぼやけた意識で薄く目を開けると、白い景色が私の周りを覆っていた。


…保健、室?


閉じられた白の向こうに人の気配がして、私は緩く目を閉じる。

シャッ、とカーテンを引く音がした後、おでこに誰かの温度を感じた。

「…回復の早い奴。」


あ、先生だ…。


いつもと同じ呆れ声でつぶやいた先生の音色で、私はつい笑ってしまいそうになる。


でも、まだ眠いなぁ。

もうちょっと、寝てたいよ…。


私はそのまま寝たふりをして、気持ち良い呼吸を繰り返す。



---チュッ



………え?



耳の上に触れる温度。

頭を優しく撫でる手の感触。

音。



…………えぇー?





再びカーテンを引く音がするのと同時に、私はぱっと目を開いた。


…な、なに、なになに?


眠気はすっかり覚めて、せわしなくまばたきをする。


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