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弱い者たち
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弱い者たち-1

「あ〜〜お金ない!!!今月遊びすぎた〜〜。」
「バイトでもすればっ。」シェアメイトの英子がいう。「だよね。じゃ早速探してみるか〜。」
私たちは今留学中に知り合って、一緒に住んでいる。大学生で、仕送りがあるからバイトもせずに遊んで暮らしていた。
「昼間は大学あるしな〜。夜か〜。」フリーペーパーの求人欄を早速見てみる。
「ベタに日本食レストランかな〜?ウェイトレスか〜・・・・」なんか浮かない気分で探す私のよこから、英子も覗き込む。
「あ!これは??お酒好きで、カラオケ好きな女の子!バーで働きませんか?お気軽にこちらまで04−xxx−xxxx(バー和)」
「お!なんかぴったしじゃん!!!これにする!」わたしは早速そこに書かれている電話番号に連絡をした。
「プルルル〜・・・もしもぉ〜し!バー和です。」
「あ!もしもし求人紙をみてご連絡したんですけど、まだ募集はされていますか?」
「はい、してますよ〜。面接に来ていただきたいので明日はどうでしょうか?では開店前の18:00頃にお店までお越しください。」
「あ・・・はい。宜しくお願いします。」

翌日の夕方しっかりメイクをして面接に向かった。
バーはレストランの最上階にあり、狭いがとっても落ち着いたシックな雰囲気が広がっていた。煌びやかではないが、どこか大人な雰囲気でいっぱいだった。入り口を通るとスーツを着た40代の男性が2人で向かい合ってソファー席に座り、ひざを床につきながらスーツを着た若い男の人がスコッチを注いでいた。
そのスーツの若い男が私をみて「あ!奥のカウンターに座って待っててくださ〜い!」と笑顔で言った。
言われるがままカウンターに座る私。
(これって・・・・スナック?ラウンジとかっていうやつ?・・・あ〜だまされた〜。適当に面接してかえろっかな〜。さっきのお兄さんかっこよかったけど、こういうとこで働いている人って信用できなさそ〜)などと、考えていたらスーツの若い男が隣に座った。
「はじめまして。私はここのマネージャーをしている。拓也です。ごめんね。開店前なのにお客さん来ちゃってさ〜。名前はえ〜〜っと・・・白川アユミさんね。いくつなの?」
いきなり、面接を始める。勢いで答える私。
「二十歳です。」
「わっかいね〜。お酒飲める?飲めそうだね。歌は?水商売したことは?あと、英語はしゃべれる?」
「は・・・はい。お酒は好きです。飲みすぎちゃうくらい。カラオケも好きだけどあんまり歌は知らないほうかも。」
初めってあったのにどんどんこの人に話してしまう。不思議ななつっこいひとだな〜と思いながら。面接は終わった。
明日から私はここで働くことになる。
これから出会い、いろいろなことが起こることもしらずに。


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