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DOLLHOUSE
【ロリ 官能小説】

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DOLLHOUSE〜prototype〜-1

教室に3人で居残りしていた。
子供の頃からの幼なじみで腐れ縁。
いつも連んで遊んでいることが多い。全員『た』から始まる名字なので出席番号がどうしても近くなる。
立花祐司と田中憲次、そして僕。高井誠治。
名前の最後が『ジ』なので僕らは三人まとめて『サンジ』と呼ばれている。
逆かもしれない。そう呼ばれて括られるから流されるままに連んでいるのかもしれない。





昨日万引きをした。
ユウが3つガムをつかむ。
僕が店の外からケンの携帯に連絡する。
僕ら2人他愛のない話をし続ける。

「ああ?うん。今? ああ」

ケンは口の大きく開いた手さげ袋をもっている。
店内で立ち止まり電話をしている無防備なケンの手さげに、すれ違いざまにガムを1本、ハンカチおとしの要領で入れる。

「ああ、わかったわかった。そっち行くから。 うん」

ケンは電話の受け答えをしながら、スーパーからなにも買わずに出ていく。
そして、ユウはなにもなかったように、レジで2本のガムを買って店を出る。

万引きがイケナイことぐらい、僕ら三人とも知ってる。
小遣いがないわけでも品物が欲しいわけでもない。
ユウとケンはスリルがたまらないんだそうだ。

僕にはわからない。なにが面白いんだか。ビクビク、オロオロするだけじゃないか。
だから、あんまり積極的に動くポジションに入らなかった。
僕が一番とろくさいのもある。

でも、別にユウとケンにいじめられている訳じゃない。
(いじめたいんだったら、盗む役を振られるだろう?)

万引き自体は成功だった。
僕はユウが買ったガムの代金を払って一本とった。

歩き出したとたん教生が現れた。

「君たち、今、万引きしたね」





うちに来た教育実習生。
理科の先生。
僕らのしたことは、あっという間にひろがり、僕らは吊されるんだろうと思った。
が、教生は黙っていた。
何を考えているのか分からない。

ただ。

「居残りで僕の授業を受けてもらうよ。明日理科室にきなさい」

と、だけ言った。

教生の説教で済むならお安い御用だ。
事を荒立てることはない。
それで、僕らはこの理科室にいるのだった。


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